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フジテレビを裏で操る「81歳・日枝久氏」というガン…子飼い社長が視聴率低迷の元凶

文=編集部
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フジ・メディア・ホールディングス株主総会

 フジテレビの持ち株会社であるフジ・メディア・ホールディングス(フジMHD)は6月26日、グランドニッコー東京 台場で株主総会を開催した。今年最大の注目はトップ人事だった。

 2017年6月、フジMHDの会長には日枝久氏の後任として嘉納修治氏が就き、宮内正喜氏が社長となった。中核子会社であるフジテレビも、この2年間は嘉納氏と宮内氏がそれぞれ会長と社長を兼務していた。今年の総会でフジMHDとフジテレビの2社とも、揃って会長と社長が交代となった。嘉納氏は両社とも退任。宮内氏が会長職に昇格し、両社で兼務する。フジMHDの新社長には金光修専務が昇格し、フジテレビの新社長には遠藤龍之介専務が昇格した。

 75歳の宮内氏に対して金光氏は64歳、遠藤氏は63歳だから、“若返り”との評価がもっぱらだが、そう単純な話ではない。たとえば、嘉納氏はフジテレビ系列の関西テレビ会長に就任したが、フジMHDの役職からは離れた。また、フジMHDで嘉納氏の前任社長だった太田英昭氏と豊田皓氏も、社長退任後は同社を離れている。トップ辞任後も役職に残り続けているのは81歳の日枝氏だけであり、取締役相談役にありながら、フジMHDとフジテレビのトップには日枝氏が自分に近い人物を据えているといわれている。

「日枝氏の高齢の子飼い社長たちでフジテレビ社長のポストを回している。これで視聴率が低迷しないほうがおかしいですよ。社内の士気もますます下がるばかりです」(テレビ局関係者)

遠藤新社長の“アピールポイント”

 フジテレビの遠藤新社長は、芥川賞作家・遠藤周作の長男として就任前から注目を浴びている。1981年入社だが、この頃から有名人子弟の入社が増えたといわれている。若い頃は編成部や制作部にもいたが、“テレビマン”としての実績となると、あまり強烈な印象は残していない。代表作は1997年の『銭形平次』くらいだろうか。

 遠藤氏が頭角を表したのは、広報に移ってからだ。大作家の息子というネームバリューは社外でもいかんなく発揮され、日枝氏への批判にも丁寧に対応してきた。記者会見で好きな作家を聞かれ、「著者は忘れちゃったんですが『沈黙』という小説です」と、父親の代表作を挙げるなど、ユーモラスな人柄として知られる。

 注目すべきは、2015年に「特区事業室」の担当に就いたこと。フジサンケイグループはこれまでカジノをお台場に誘致しようと熱心に働きかけてきたが、その先頭に立って旗振り役を務めていたのが遠藤氏である。業績が悪化したグループを立て直すための日枝氏の肝いりプロジェクトだった。

株主からの質問は8つで打ち切り

 2019年3月期のグループ連結売上高は6692億3000万円で前期比3.5%の増収、本業の儲けを示す営業利益も347億900万円で37.4%の増収だった。ただ、その内容を見ると、都市開発・観光事業が好調だったためだ。メディア・コンテンツ事業は7期ぶりに増益となったものの、まだまだ弱含みであることには違いない。

 決算・事業報告の後、株主からの質疑応答へと移り、大阪で起きた拳銃強奪事件に関する質問も出た。逮捕された容疑者の父親は、関西テレビの常務取締役で、容疑者自身もかつてフジ系列の岩手めんこいテレビの関連会社に勤務していたからだ。ただ、この件に関して会社側は「コメントする立場にはない」と回答した。

「クールジャパン機構」への5億円投資を追及した株主もいた。これは、日本の文化を海外に紹介し、マンガ・アニメ、食、ファッションなどの輸出を支援しようと、官民ファンドの産業革新機構が投資した事業なのだが、成果ゼロのまま次々に打ち切られている。税金のムダ遣いといわれており、テレビ局としてはフジテレビだけが投資しているというのだ。会社側は「今の段階ではリターンが良くない」と株主の指摘を認めた。

 会場の株主から質問が8つ出たところで、議長によって質疑は強制的に打ち切り。1時間45分は近年稀にみるほど短い総会だった。

(文=編集部)

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