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ゲーム市場の変化は目まぐるしい。飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びてきたソーシャルゲームのグリーなども成長が鈍化。ゲームの王者だった任天堂やソニーの家庭用ゲーム機も、かつてのような爆発的なヒットを出せていない。
13年9月、山内氏が亡くなった。任天堂は、山内氏の「鶴の一声」で決まる体制が終わり、岩田氏はいや応なしにゲーム市場の構造変化に向き合わざるを得なくなった。ゲーム市場は家庭用ゲームよりもスマホゲームが主流となり、15年3月、任天堂はDeNAと資本提携してスマホゲームへ参入。年内にも第1弾のゲームを発売する計画だ。この推進役である岩田氏の急逝で、プロジェクトが宙に浮くのではないかという懸念が出ている。
任天堂は今後の経営体制について、「社長職は竹田玄洋専務と宮本茂専務の2人の代表取締役が代行し、その後は未定」とするにとどめている。
竹田氏はWiiなどハードの設計が専門で、任天堂の事業全体に関与した経験はない。宮本氏は「マリオの父」と呼ばれる天才的なクリエーターだ。彼がデザインしたゲームソフト『スーパーマリオブラザーズ』は世界一売れたゲームとしてギネスブックに登録されている。しかし、経営者としての手腕は未知数。
「岩田氏が病気の体にむち打って社長を続投してきたのは、後継者が不在だったから。竹田、宮本の両氏は60歳を越えてており、斬新な発想が求められるゲーム業界で任天堂を再浮上に導くのは容易ではない」(業界筋)
「ソフト体質」と「経営者」という2つの才能を兼ね備えた山内氏に続いて、岩田氏も亡くなった。任天堂は船頭不在のまま、海図のない航海へ船出する。
(文=編集部)
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