去る11月16日、東京・飯田橋のセントラルプラザにおいて、同プロジェクトの交流会が催された。会場には筆者を除いて15名が集まった。参加者は、大畑氏や大富氏のほか、すでに電気代不払いを実行している消費者や、「インターネットで知って興味を持った」という人もみられた。不払いを実行している参加者のなかには、裁判を起こして法廷でこの活動を展開している人もおり、その熱心さがうかがえた。
また、参加者のなかからは「1円過払い」という手法も報告された。方法は、郵便局で支払う際、上記とは逆に、請求金額に1円をプラスして支払うのである。
電力会社は、たとえ1円であっても入金に不足があれば容赦なく電気供給をストップする。だが、請求金額を上回れば、その心配はない。しかし、電力会社は過剰に支払われた金額を利用者に返還しなくてはならない義務が発生する。そのため、不払いと同様に東電は経費と手間をかけて返金しなければならない。その意味でも、電力会社への抗議の意思を示すことができる。
「ただし、電力会社から連絡などがあったら、『原発反対の抗議です』と、意思をはっきりと伝えることが大切です。そうでないと、過払いした1円を単に次回への電気料金に補填されて終わってしまう可能性がありますから」(大豊氏)
重要なのは、この「電気代不払い」というアクションが、東京電力という会社やその従業員を感情的に痛めつけようとか、まして電気代を踏み倒してやろうとかいうものではけっしてないということである。
「あくまで原発に反対するということであって、電気にお金を払いたくないということではありません。原発でつくった電気はいらないということです。その意思を示すための行動です」(大畑氏)
現在、電気代不払いを500名ほどが実行、または何らかの抗議行動を取っているとのことだ。このプロジェクトがどのように展開していくのか、今後も注目に値するといえるだろう。
(文=橋本玉泉)