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「GMさんとスズキの差は、鯨とメダカどころではありません。あえていうなら、鯨と蚊のようなものです。メダカなら、鯨に飲み込まれてしまうかもしれないが、小さな蚊なら、いざという時に空高く舞い上がり、飛んでいくことができます」(『俺は、中小企業のおやじ』<鈴木修/日本経済新聞出版社刊>より)。
世界に君臨していた巨大な鯨・GMが瀕死の重症に陥った。スズキはGMが保有していた20%の株式を最終的にすべて買い取り、資本提携を解消した。
GMが再建した今、元の鞘に納まるのが自然な流れだとの見方もある。GMは今年6月、フィアットから合併の打診を受けたが拒否している。6月9日に開いたGMの株主総会でメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)が「フィアットから届いたレターを経営陣と取締役会で検討し(拒否すると)決断した」と説明した。
GMはすでに年間世界販売台数1000万台の規模を誇っており、これ以上規模を拡大する合併は不要と判断したとされる。だが、スズキはインドで高いシェアを持っている。GMは過去にスズキと資本業務提携するに当たり、スズキの小型車や軽自動車を日本から持ち込み徹底的に解剖。スズキの小型車づくりのノウハウに強い関心を示したという歴史がある。
スズキが新しいパートナーとしてどこを選ぶのか。修氏の最後の大勝負となる。
修氏の孤独な戦い
今年6月、修氏は社長職を長男の俊宏氏に譲った際、「VWとの提携解消にメドがついた時点で経営から退く」意向を示していた。だが、8月30日の会見では「まったく考えていない」と述べ、続投を宣言。次のパートナー選びを含め陣頭指揮をとる姿勢を強く滲ませた。この日の記者会見は修氏の独演会だった。俊宏氏も出席していたが、まったく存在感がなかった。
株主総会からわずか4日後という異例の社長交代は苦渋に満ちた、究極の選択だった。5月の決算発表の席上では、「取締役の若返りが必要だが、私が辞めるわけにはいかない」として、「90歳まで続投する」と宣言した。株主総会に出席した多くの株主からも後継者問題に関する質問は出なかった。
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