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輸出取引ではなく、韓国への直接投資面での影響もある。というのは、アジアで日本のホワイト国は韓国だけであり、そのため韓国は多くの国からの企業誘致を行ってきた。日本からの優遇措置がなくなれば、韓国はEUから優遇措置を受けていないので、韓国へ誘致した企業は韓国から引き揚げる可能性があり、アジア内での優位性を失いかねない。
一方、日本が韓国のホワイト国から外されても、それほど痛くない。日本は内需依存国であり、輸出依存度が高くないからだ。しかも、日本はEUなどから優遇国として扱われているので、韓国からの扱いは、はっきりいってどうでもいい。
日韓では経済的な格差がある。日本のGDPは約5兆ドルであるが、韓国はその3分の1の約1.6兆ドルにすぎない。しかも、外需依存の強い韓国では、外資依存も強いので、大きな経済ショックがあると、外資が引き上げて国内経済がガタガタになってしまう。これは、1998年の金融危機のときに経験済みである。韓国通貨ウォンが大幅下落して対外債務負担が著しく大きくなり、それが国内経済も毀損させるのだ。
対外危機の場合、財政政策と金融政策の同時発動が必要だが、韓国でそれを行うと、ウォン安になって韓国経済のアキレス腱を襲うおそれがあり、残された手がないほどに韓国は追い込まることになる。
しかも、GSOMIA破棄でアメリカを完全に怒らせてしまった。さらに徴用工問題について、韓国が頼みするアメリカは、韓国側でなく日本の立場を理解するというメッセージもでてきている。もはや韓国は、国際政治でも経済でも完全に行き詰った状態だ。
(文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授)
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