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JRを生んだ中曽根元首相の功と罪…職員28万人の国鉄解体、JR7社の明暗鮮明

文=編集部
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3人組の明暗は分かれる

 87年4月、JRが発足した。首脳人事は首相、官房長官、運輸相の3人で決め、自民党は介入させない。自民党運輸族のドンで前運輸相の三塚氏の意見は聞かないということだ。最大の焦点は、日本一の私鉄となるJR東日本(東日本旅客鉄道)の首脳人事である。三塚氏が権力を失ったことで、「改革3人組」のリーダーだった井手氏が就任するという人事案が覆された。橋本龍太郎新運輸相が、三塚色が強く野心家の井手氏を嫌ったからといわれた。

 JR東日本は松田氏が常務、JR東海は葛西氏が常務、JR西日本は井手氏が副社長になった。井手氏は西日本に押し込められた。下馬評にも上らなかった松田氏が東日本の中枢の位置を占めた。改革派のリーダー井手氏は都落ちし、松田氏が本丸の東日本の常務に大抜擢された。民営化したJRの最大のサプライズ人事だった。

 井手氏はJR西日本で「ボート・ピープル(難民)」と陰口を叩かれた。エリートを自認していた井手氏は、この人事には大いに不満で、のちに知人に「こんなところ(JR西日本)に骨を埋められない」と愚痴をこぼしたという話が残っている。

 その後、国鉄の「改革3人組」はJR各社の社長、会長となり、いずれも独裁色の濃い権力者となった。“井手商会”と呼ばれたJR西日本は05年4月、乗客ら107人が死亡し、562人が負傷したJR福知山線脱線事故を起こした。JR東日本では05年12月、JR羽越本線で脱線事故が起きた。期せずして05年に発生した東西の脱線事故で、井手氏と松田氏の2人がJRの表舞台から去った。

 現在、現役で活躍しているのが葛西氏である。葛西氏は「親米反中のタカ派」の論客として知られ、安倍晋三首相の支持者である。財界・経済人で安倍首相が会った回数は、葛西氏が断トツのトップだ。今年10月4日、安倍首相は東京・南麻布の日本料亭「有栖川 清水」で、葛西氏、古森重隆富士フイルムホールディングス会長ら、いつもの顔ぶれで会食している。

 国鉄民営化は、何をもたらしたのか。民営化の恩恵を受けたのは東日本、東海、西日本の本州3社だけ。JR九州はやっと上場にこぎつけたが、鉄道事業は赤字のまま。北海道、四国に至っては、民営化以来ずっと赤字である。「島3社」の経営が成り立たないことは最初から予想されていた。なぜ貨物も含めて7社に分割したのか。国鉄改革は、いまだに未完である。

(文=編集部)

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