今年も恒例の「社長が選ぶ今年の社長」が発表になった。栄えある第1位には、トヨタ自動車社長の豊田章男氏が初めて輝いた。これは、2008年から産業能率大学が従業員10人以上の企業経営者を対象に、その年の最優秀経営者は誰かをアンケート調査しているもの。今年は464人の有効回答があった。
豊田氏は09年にトップ10入りし、これまで何度も候補にあがりながら09年2位、10年3位、11年4位、12年4位、13年2位、14年2位と惜敗してきた。13年、14年のトップはソフトバンクの孫正義氏で、今年は豊田氏が201票、孫氏が91票と2倍以上の得票差でトップを奪取した。
豊田氏が選ばれた理由としては、「リーマンショック以降の難局を乗り越えて、会社を立て直した」「リコール・女性役員逮捕など、度重なる問題への対応と、そこからの回復」「燃料電池車の開発・普及など先を見越した経営」などがあげられている。12~14年まで3年間連続で自動車販売台数世界一を達成したことも高く評価されたようだ。
今年初めてトップ10入りしたのは3人。近年の12年6人、13年4人、14年5人と比較すると少ない印象だが、その分、非常に興味深い人選となっている。
まず、3位に三菱航空機の森本浩通氏が飛び込んだ。森本氏はそれまで登場したことがかなったが、国産ジェット旅客機MRJの初飛行を成功させたことが「日本人に大きな夢を与えた」として共感を呼んだようだ。
7位には三菱重工業の宮永俊一氏が昨年の12位からジャンプアップして、初のトップテン入りをした。こちらも、日本初となる商業衛星の打ち上げ成功が評価された。「宇宙産業への挑戦」として共感を呼んだようだ。
10位に入ったのがセブン&アイ・ホールディングス(HD)の鈴木敏文氏。大物経営者であり知名度抜群の同氏だが、今回が初のトップテン入り。昨年の12位から2ランク上げた。「健全な経営、先見性に優れている」「業績、新事業の発想力」「改革力」といった経営全般で評価されている。