(「ウィキペディア」より)
13年はどうなるのか。1月7日、国内航空9社の年末年始(12年12月21日~13年1月6日)の利用実績が発表になった。航空各社にとって年末年始は書入れ時、搭乗率は新規参入したLCC3社の今後を占う目安になる。搭乗率75%以上がLCCの採算ラインといわれているからだ。
航空専門情報会社Aviation Wire調べによるとLCC3社の国内線の搭乗率は8割前後と好調だった。だが、LCCと大手に挟まれたスカイマークは7割台前半と苦戦した。
LCC3社のうち搭乗率が最も高かったのは関西国際空港を拠点とする全日空系のピーチ・アビエーション(大阪府泉佐野市、井上愼一CEO<高経営責任者>)。国際線が81.6%、国内線が83.5%だった。
次いで成田国際空港が拠点の日航系のジェットスター・ジャパン(成田市、鈴木みゆき社長)。国内線のみで78.7%。同じ成田が拠点の全日空系のエアアジア・ジャパン(成田市、小田切義憲・新社長)は国際線が72.2%、国内線が77.4%だった。
これに対して、スカイマーク(東京都大田区、西久保愼一社長)は国内線のみで73.0%。前年の年末年始の実績より10.1ポイント、数字を落とした。減少率が2ケタ台となったのはスカイマークだけである。
スカイマークがジェットスターやエアアジアと競合するのは成田発着6路線のうちの3路線。12年12月1カ月の搭乗率は福岡線が61.3%で最も高く、那覇線が47.7%、札幌線が38.3%。一方、ピーチと競合する関空の発着路線では那覇線が37.9%、札幌線が47.5%だった。スカイマークはLCCに客を奪われてしまったことを、数字が如実に示している。
スカイマークは12年3月、関西国際空港を拠点に、関西ー札幌(新千歳)、関西ー那覇の2路線を就航したが2路線とも搭乗率は5割を切る厳しい数字となっている。
このため収益の改善が見込めないとして関空発着の2路線から今年3月31日をもって撤退する。さらに那覇ー石垣を13年4月に就航する計画を発表していたが、発表から2週間も経っていない1月9日に就航を延期すると発表するなど迷走を続けている。
こうした“LCCショック”はLCCと競合していない航空各社にも及んだ。羽田ー北九州線を運航しているスターフライヤー(北九州市、米原愼一社長)は全日空の傘下に入った。12年12月12日付で、これまで筆頭株主だった米投資ファンドから全日空が24億円で株式を買い取り、18%を保有する筆頭株主となった。
スターフライヤーの年末年始の国内線の搭乗率は、前年より5.8ポイント減の72.4%。12年7月に初の国際線として就航した北九州-釜山線は62.1%にとどまった。その他のエアラインはAIRDO(札幌市、齋藤貞夫社長)が5.1ポイント減の76.5%、スカイネットアジア航空(宮崎市、高橋洋社長)が3.2ポイント減の72.6%だった。
大手2社はどうか。日本航空(植木義晴社長)の年末年始の国内線の搭乗率は67.7%(国際線は82.4%)、全日本空輸(伊東信一郎社長)は66.6%(国際線は77.1%)だった。ピーチの国内線、83.5%からすると低い搭乗率のように見えるが、前年の年末年始の搭乗率と比較すると、日航は4.4ポイント、全日空も3.9ポイント、それぞれ改善した。