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株価が32年ぶりの安値 全盛期の3分の1に……

やっぱりだだ下がり! ソニー株価の変遷

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 日産自動車を再生させたカルロス・ゴーン社長のコミットメント(必達目標)は、流行語になった。この言葉が飛び出したのは99年10月18日のこと。再建3カ年計画「日産リバイバルプラン」が発表されたときだ。ゴーン社長は、初年度に黒字化を実現するなど3つの約束をし、「1つでも達成できなければ自分を含めた取締役全員が退任する」と宣言した。「目標が未達なら辞める」と公言した大企業の経営者は、彼が最初だった。そのゴーン氏ですら、いまはコミットメントの金看板を下ろしてしまった。ソニーの社長、カズにゴーン氏のような離れ業を演じる度胸があるとは、マーケットも投資家もライバル会社のトップも思っていない。

業界がこぞって疑問視するソニーのテレビ

 カズの最大の課題は9期連続で赤字となる見通しの液晶テレビ事業の抜本的な立て直しだ。縮小均衡策で来期(13年3月期)に10年ぶりの黒字転換を目指すが、「ソニーのテレビ事業は未来永劫、黒字にならない」(有力アナリスト)といった辛辣な見方さえある。世界市場で、同社今期の液晶テレビの販売計画は1750万台。前期実績の1960万台を11%下回る水準に設定した。売り上げは前期比1000億円減の7400億円となる。今期、台数ベースでは新興国での売り上げが7割を占めるという。

 加藤CFOは決算会見で、「テレビ事業はパネルの調達コストの引き下げによって想定以上に(収益が)改善している」として、営業赤字は800億円に縮小するとの予測を示した。前期の赤字は、韓国サムスン電子とのパネル合弁解消の損失を含めると2080億円に上った。実質的なテレビ事業の営業赤字は1480億円だった。

 エレクトロニクス業界の著名なアナリストは、「ソニーの成否を決めるのはテレビではない。テレビはいつ、どういう方法で撤退するかだけだ。それよりもむしろ携帯電話(モバイル)の収益見通しがはっきりしないことが最大のウイークポイントだ」と分析している。携帯電話は今期、前期比48%増の3330万台の販売台数を見込むが、米アップルと韓国サムスン電子の2強が激しくトップを争う市場で、ソニーがこの数字を達成できるのか? との大きな疑問符がついているのだ。モバイルがこけたらカズは地獄の底まで落ちてしまいかねない。

 過去を振り返ってみよう。ソニーは2期連続で最終損益を当初の黒字予想から下方修正を繰り返し、結局、最終的には赤字に転落した。前期は実に4回の下方修正を経て過去最悪の最終赤字を計上した。「過去の実績を見る限り(黒字予想は)信憑性に欠ける」(有力アナリスト)との厳しい指摘がある。

 日立製作所は12年1月、テレビ事業の自社生産から撤退を決めた。その日立は業績が急回復。純利益は2年連続で過去最高となった。家電のイメージからの脱却を図る日立に比べてソニーは「選択と集中」の構造改革のスピードが遅すぎる。

BusinessJournal編集部

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