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「ソニーを変える。ソニーは変わる」
カズ(平井一夫)は就任後、初めてとなる経営方針説明会の冒頭で、200人以上のメディア関係者を前にこう決意表明をした。いくらスピーチが流麗でも、経営再建への具体的な方策が示せない限り、株価は上昇しない。孔子は『論語』で「巧言令色、鮮(すく)なし仁」と言った。口できれいごとを並べ、容貌、態度をやわらかく美しく見せることが主になると、人間の根本の道である仁の心が薄くなりがちだ、という意味だ。経営者にとって究極の「仁」とは、利益だ。カズに稼ぐ力があるのか、と株価が厳しく問うているのだ。
ソニーの株価は経営方針発表会以降、ほぼ一貫して下がり続けている。原因はやはりカズの経営力がどの程度のものかを計る物差しがないことだ。「エレクトロニクス、最終損益、現金収支の3つの黒字化」という必達目標を達成できなければ、カズは1年後には間違いなく経営責任を問われることになる。
(文=編集部)
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