この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は林賢一氏が、カップヌードルのお湯の量に関する謎に迫ります。
【ご回答いただいた企業】
日清食品グループお客様相談室
カップラーメンを食べるためにお湯を沸かすとき、どれくらいの量の水をヤカンに入れるか、いつも迷う。
もちろん、だいたいの目安で多めに入れておけばよいのだが、あまり多すぎても沸くのに時間がかかってしまう。とはいえ、少なめに入れて足りないのは困る。ヤカンに水を入れるときは、常にその両者のせめぎ合いだった。
だが最近、カップラーメンに「お湯の目安量」なるものが表記されている商品が増えた。たとえば、日清食品の「カップヌードル」は300ミリリットルとなっている。
うん、これはナイス表記だ。
あらかじめ300ミリリットルを量ってヤカンで沸かせばいい。だが、ある日、「カップヌードルシーフードヌードル」を食べようとして驚いた。
「お湯の目安量」は320ミリリットルなのだ。ノーマルの味より20ミリリットル多い。これはなぜなのか。シーフードヌードルのほうがお湯を吸うのだろうか。それとも容器の大きさが微妙に違うのだろうか。うーん、気になる。
そこで、日清食品グループお客様相談室に、直接聞いてみた。
「カップヌードルに必要なお湯の目安量は300ミリリットルなのに、シーフードヌードルはなぜ320ミリリットルなのでしょうか」
担当者 カップヌードルやシーフードヌードルの内容量は、商品ごとについて変えさせていただいています。麺の重量もカップヌードルは65グラム、シーフードヌードルは60グラムです。また、麺の太さや厚みなども商品によって違うのです。具材も違いますし、スープの濃さも変えておりますので、それらを含めまして一番おいしく召し上がっていただけるお湯の量をそれぞれ設定しております。
–カップの大きさは同じですか?
担当者 同じでございます。
–お湯を入れる目安となるカップの内側にあるラインも同じ高さですか?
担当者 はい、同じでございます。
–では、使用しているカップはどの商品も一緒で、そのラインで一番おいしくなるように内容量やお湯の量を調整しているということですね。
担当者 そうですね。麺の太さや具材、スープの濃さなどをすべて考慮してつくっております。
–ちなみに、カップヌードルとカレーヌードルは、標準サイズではどちらも300ミリリットルなのに、BIGサイズではカップヌードルが410ミリリットル、カレーヌードルが390ミリリットルなのはなぜでしょうか。
担当者 基本的に、麺や具材はサイズが違っても同じものを使っているのですが、一番おいしいところやお湯のラインまでお湯を入れると考えると、単純にサイズに比例してお湯の量を増やすということではありません。
–ありがとうございました。
このように、答えは「一番おいしくできるお湯の量をそれぞれ設定している」ということだった。
これからは、味ごとにきちんと最適なお湯の量を確認して、お湯を沸かすようにしよう。ありがとう、日清。ありがとう、お湯。そしてありがとう、ヤカン。
(文=酒平民 林 賢一/ライター)