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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

「不思議な仕事」政治家、いったいどんな働き方なの?参院選と都知事選前に必読!

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio
「不思議な仕事」政治家、いったいどんな働き方なの?参院選と都知事選前に必読!の画像12016参院選、安倍首相が応援演説(Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 舛添要一前東京都知事の政治資金問題が大きな話題となったのは記憶に新しいところ。これによって、7月31日には都知事選の投開票が行われる。また、すでに公示されている参議院議員通常選挙も7月10日には投開票される。

 相次ぐ選挙で、政治家に対する世間の注目も高まっているが、そもそも政治家とはどのような立場で働いている人たちなのだろうか。今回は本連載の番外編として、立教大学経営学部教授の有馬賢治氏に「政治家という職業」について、「経営学の観点」から解説してもらった。

政治家は個人事業主

「政治の世界は非常に複雑ですが、経営学の見地から『政治家』という職業を一般社会の企業に当てはめて一言でいうならば『期限付きサービス業の個人事業主』と表現できます。経営学的には政治家は、街の八百屋さんやお花屋さんなどの商店主や、フリーランスで働く人々と同様に、店主ひとりあるいは数名程度の従業員で営まれる組織と同様だと考えられるからです。政治家も個人企業の事業主も、この組織の所有者兼経営者であり、さらに労働者も兼ねる三位一体の立場である点は同じです。経営に関わる責任は無限責任となり、倒産した場合には、自己破産などをしない限り借金のすべてを返済する義務が残ります」(有馬氏、以下同)

 それとは反対の立場なのが株式会社。株式会社とは簡単にいうと、株式の発行と市場での売却により不特定多数の人から資金を調達して企業を運営するシステムだ。

「原則的に株式会社は、株主という会社の所有者と、経営者が別の人物というところが、まず個人事業主とは大きく違うところです。さらに株式会社の場合、従業員はあくまで雇用される立場であり、労働の対価として雇用主から給与が得られるだけで、経営責任は問われません。経営者も従業員と同様に経営責任は有限であり、たとえ会社が倒産した場合でも法的には借金を背負う義務はありません」

 政治家の場合は、政党に所属しても会社組織のように給与を政党から支払われるわけではなく、国や地方自治体から在任中のみ支給される。基本的にひとりで活動し、責任は個人で取らなければならないという点で、株式会社などの企業組織と対極にある職種、という解釈が成り立つわけだ。

選挙は政治家にとってオーディション?

 そして、有馬氏いわく、政治家は「サービス業」とのことだが、これはどういう意味だろうか。

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