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大西宏「コア・コンセプトのビジネス学」

車の自動運転、夢物語の化けの皮剥がれる…死亡等の事故多発、ブレーキすら正常作動せず

文=大西宏/ビジネスラボ代表取締役
車の自動運転、夢物語の化けの皮剥がれる…死亡等の事故多発、ブレーキすら正常作動せずの画像1「Thinkstock」より

 成長著しかったスマートフォン(スマホ)市場が成熟し始めました。それにともなって、人々の関心は「その次に時代を牽引するのは何か」に移ってきているように感じます。

 新しい技術が注目されると、次世代を切り開く「夢の技術」としてさまざまなメディアが持ち上げ、またそこに専門家も加わって時代を変える期待感も膨らんできます。IoT(モノとインターネットの融合)、自動運転、仮想現実、拡張現実、ビッグデータ、オムニチャネル――、数え切れないほどのバズワードが広がってきています。

 確かに、新しい技術が牽引車となって、イノベーションが起こることもあります。しかし、技術だけで社会が変わることはあまりなく、ビジネスのシステムや社会システムの変革をともなって初めて、新しい価値が創造されてくるという視点を持つことが重要です。

 人、社会、そして技術がどうつながり、社会や人びとの生活の何が変わるのか、それらが変わることでどのような新しい価値が実現されてくるのかを考えて初めて、イノベーションやリ・イノベーションを正しく評価することもできるのではないでしょうか。

繰り返されてきた「一過性のブーム」

 2007年の春から夏にかけて盛り上がった「セカンドライフ」ブームをご記憶でしょうか。仮想空間で、住宅、家具、洋服などが自分でデザインできたり、世界中の人とチャットしたり、仮想通貨のリンデンドルで取引ができるなど、仮想空間が切り開く新しい世界の始まりだとメディアが持ち上げ、広告代理店が仕掛けて、さまざまな企業をも巻き込んだお祭りを引き起こしました。

 こういったブームに警鐘を鳴らすことは勇気がいります。セカンドライフが知られ始めたかなり早い時点で筆者は批判をブログに書きましたが、随分厳しいご意見を頂戴しました。夢を破ることは許せないということでしょうか。ゲームならまだしも、中途半端にリアルな世界を模倣したにすぎない仮想空間はハリボテの世界にすぎず、あっという間に人びとの関心から遠ざかってしまいました。

 しかし、多くのメディアは何か新しい時代が始まるかのような空気をつくりだしていたのです。

 米グーグルのグーグルグラスは、実際に見えている世界に情報をつけ加える拡張現実を実現するメガネです。拡張現実とは、道路を歩行中に見えているお店のインターネット上での評価を自動的に確かめられるとか、福井県立恐竜博物館でソフトバンクが実証実験を行ったりしていますが、館内にある恐竜の骨格標本に対してガイドを行うというもので便利そうです。

大西宏/ビジネスラボ代表取締役

大西宏/ビジネスラボ代表取締役

ビジネスラボ代表取締役。自称「マーケティングの棟梁」

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