4年に一度行われるスポーツの祭典、オリンピックがいよいよブラジル・リオデジャネイロにて始まった。日本は、2020年に東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、各競技団体は選手強化に力を入れており、メダルラッシュの期待が大きい。
ロシアのドーピング問題、ジカ熱、治安の悪さなど、暗いニュースが多すぎて、株式市場ではオリンピックを材料視した売買は目立っていない。だが、日本選手の活躍が伝われば一気に市場の脚光を浴びる可能性が高い。
大型株は、その会社に所属する選手がメダルを獲得しても株価が反応することは少ないが、新興企業の場合は「ご祝儀相場」として株価が上昇することは過去に何度もあった。
メダルの期待が高い水泳
もっとも多くのメダル獲得が期待されているのは、競泳である。スイミングスクールを運営する企業に属している選手が出場しただけで、スイミングスクールの会員増につながり、企業業績への相乗効果も見込める。
オリンピック銘柄のニューフェイスは、関西を中心にスイミングスクールを展開するジャスダック上場のジェイエスエス。介護最大手のニチイ学館系のスイミングスクール専業である。渡部香生子(200m平泳ぎほか)、瀬戸大也(400m個人メドレーほか)が所属している。瀬戸は、400m個人メドレーで銅メダルを獲得し、この後の競技にも期待が高まる。13年に上場後、初のオリンピックを迎えることになる。
スポーツジム運営のルネサンスは、池江璃花子(100mバタフライほか)、持田早智(800mリレー)が所属。インキ製造会社DICの系列だが、DICの持ち株比率が縮小して独立色が強まっている。競泳女子2選手のリオオリンピック出場は、会員増に直結するとみられている。
フィットネスクラブの草分けであるセントラルスポーツは、寺村美穂(200m個人メドレー)を送り出している。
コナミは体操、日本ユニシスはバドミントン
男子団体優勝が悲願の体操は、コナミホールディングス子会社のスポーツクラブに内村航平、加藤凌平、田中佑典、山室光史の4人が所属し、体操王国を築いている。12年のロンドンオリンピックでは、内村航平が体操個人総合で金メダルを獲得し、親会社であるコナミの株価が大会期間中に9%高(日経平均は5%高)となった。コナミ株は、7月14日に年初来高値の4520円をつけた。リオオリンピックで内村選手がリーダーシップを発揮して団体、個人で優勝すれば、株価が急騰するかもしれない。予選は不調だっただけに、決勝の舞台での奮闘に期待したい。