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●足かせとなった資本提携契約
また、証券業界関係者によれば、西武HD上場に当たり、両社の資本提携契約も障害になっているという。
「今回の西武HD株式上場は、上場廃止株式の再上場に当たる。よって、特定の株主に特別な権利を付与することになるサーベラスとの資本提携契約は、東京証券取引所のガイドラインに抵触する。そのため西武HDは、同社との資本提携契約解消に動いた。これを受けサーベラスは、西武HD側が示した想定IPO価格を不満とし、上場を阻止すべく、資本提携契約の解消を拒否。その後、両社間ではこう着状態が続いているという」
こうした状況の中、サーベラスは極めて不利な状況にあるとの見方が強い。なぜなら、関係者によれば、西武への資本増強でサーベラスは約1000億円注入したが、このうち700億円は銀行借入金。しかもこの借り入れ時、銀行から「15年には西武HDを再上場させる」という条件がついているとのことだ。
これに追い討ちをかけるように、サーベラス本社でも、「西武HD側が当初望んだ12年12月に上場しておけば、投資回収できたのではないか?」との声があると証券業界関係者は言う。
一方、サーベラスに近い関係者は「ニューヨーク本社の意向は、あくまでもポーズ。東京オフィスの方針通り、事を進める模様だ」と強気の姿勢を崩さない。
金融業界関係者の間では、早ければ今週初めにも、TOBが行われる可能性があると見られている。
(文=秋山謙一郎/ジャーナリスト)
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