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激安バジェット・レンタカーでスズキハスラーに乗れた!オシャレで20キロ超の好燃費

文=渡瀬基樹
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バジェット・レンタカーで軽乗用車を車種指定なしで予約したところ、貸し出されたのは先代(初代)のスズキ・ハスラー。ポップなデザインで、特に女性に人気の車種だ。(写真はすべて筆者撮影)

 レンタカーは車を借りる店舗と返す店舗は同一というのが基本だ。別の店舗に返却する場合は、乗り捨て料金が別途かかることが一般的で、長距離の場合は基本料金より高くなってしまう場合が少なくない。

 大手レンタカー会社では、トヨタレンタカーバジェット・レンタカーは基本的に同一都道府県内の店舗であれば無料(北海道など例外あり)、日産レンタカータイムズカーレンタルオリックスレンタカーは20km未満であれば無料(同)だ。ニッポンレンタカーは、以前は同一都道府県は基本的に無料だったが、この8月4日より、20km未満が無料というシステムになった。

 ユーザーにとっては、どちらかといえば20km以内(未満)無料より、同一都道府県内無料のほうがありがたい。距離制限は、羽田空港から神奈川県川崎市、大阪国際(伊丹)空港から兵庫県尼崎市など都道府県境では有効ではあるものの、都道府県内という制限のほうが圧倒的に活用しやすいからだ。

 レンタカー業者側からすれば、乗り捨てされた車は出発した店舗に回送しなければならない。人件費がかかるだけでなく、回送中は貸し出しできないため、利益の逸失も発生する。そのため乗り捨て料金が発生するのは理解できるのだが、利用者としては、やはり「もったいない」という感覚が生じてしまう。

 たとえば飛行機である目的地へ向かい、空港からレンタカーを借りて観光地を巡り、そこからさらに鉄道で別の目的地へと向かいたい……などというとき、空港で借りて駅の近くで返却できれば、とても便利だ。しかし、空港の多くはターミナル駅から20km以上離れた位置にある。こういうケースでは、都道府県内の乗り捨てが無料というレンタカー会社を利用するのが賢いということになる。

 先日、東京から飛行機で大分空港へ向かい、数カ所で取材をこなして、JR大分駅から福岡市へ電車で向かうという、まさに上記に当てはまる仕事があったため、実際にレンタカーを借りてみた。その際に料金をいろいろとシミュレーションしてみたところ、バジェット・レンタカーの軽乗用車が「4950円」と最安だったため、予約してみた。

 普段は街なかでレンタカーを利用する方にはあまり馴染みがないかもしれないが、バジェット・レンタカーは全国の空港に多くの店舗を構えるレンタカー会社。今回は、このバジェット・レンタカーの実情をレポートしてみたい。

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やや車高(最低地上高)が高めだが、ジムニーなどの本格的なクロスカントリー車ほど走破性は高くない。オンロードとオフロードの両方に対応するクロスオーバー車だ。
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「鉄チン」と呼ばれるスチールホイールが純正仕様だが、ボディカラーに合わせて塗装されており、無骨さとポップさを兼ね備えたデザインアクセントになっている。

おまかせプランで出てきたのは、先代のスズキ・ハスラー!

 バジェット・レンタカーも、借り方は一般的。空港のカウンターで予約名を伝え、迎えにきた車に乗って営業所へ向かう。車種はお任せというプランだったのだが、出てきたのは先代のスズキ・ハスラーだった。ポップなデザインと、軽クロスオーバーというコンセプトが人気を集めた、いわずとしれた大ヒット車。期せずして乗れるとなれば、これはちょっと意外、うれしいではないか。

 レンタカーはとかく、ベーシックな車種を取りそろえていることが多い。個性的なデザインや独特のコンセプトを持つ車はレンタカーでは少なく、万人が無難に扱える車を選ぶ傾向が強い。操作性や着座位置などが一般的な車のほうが、運転に不慣れな人でも事故を起こしにくいという側面もあるのではないかと思う。

 その点ハスラーは、かなり独特な車だ。クロスオーバーを称するだけあって、着座位置(座面の高さ)はやはりちょっと高い。視界がよいと感じる人が多いだろうが、コーナリングではやや不安を感じる部分もある。かなり立っている前面の柱(Aピラー)も、違和感を感じないではない。

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着座位置が高くてAピラーが立っているため、運転中の視界は良好だ。
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シートもクロスカントリー車のような無骨さと、女性にも受け入れられそうな柔らかさを兼ね備えたベンチシート。

なかなか乗れないスズキ・ハスラー、24km/Lの好燃費!

 ただ、全体的には思いのほか乗りやすい。室内はいわゆる「軽トール系」の高さだが、これはスズキ・ワゴンRダイハツ・ムーヴと同程度で、現代日本においてはもはや一般的なレベル。高速道路も5kmほど走ったが、安定性にはなんの問題も感じなかった。貸し出し車両の走行距離が3万1000km台とそれほど乗り込まれていなかったこともあり、ボディやダンパーがヤレている感じもなかった。

 そして何より、デザイン性はやはり高い。屋根だけ別塗装のツートーンだが、ボディ色は内装の一部と、屋根色はホイールと合わせたコーディネートの細やかさが心憎い。前面パネルはメーターやナビを含め、四角と丸をうまく調和させたスタイリッシュなデザイン。ベンチシートも雰囲気に合っており、長時間乗らなければ腰が痛くなるようなこともない。

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メーター回りはデザイン性を重視しつつ、各種スイッチや吹き出し口などがしっかり整理されているため、初めて乗った人でも戸惑うことが少ない。
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リアシートがフラットに倒れるため、荷物の積載など実用性も十分考慮されている。ただ、4人+スーツケース……などを載せるには、さすがに狭いだろう。

 96km走って給油量は3.99Lで、24km/Lの低燃費だった。ガソリン代は551円で、レンタカー代と合わせて5501円。空港から大分駅のアクセスバスは、大人片道で1550円。4人での移動ならレンタカーのほうが安い計算になる(もっともバスは、4枚券が4200円で販売されているのだが)。

 運行時間が決まっているうえ、道中で寄り道のできないアクセスバスより、レンタカーでの移動は圧倒的に快適だった。街なかではあまり見かけないが、全国の空港ではよく見かけるバジェット・レンタカー。早期割引やキャンペーンなども数多く行っているので、旅行の際のアクセス手段などとしては、実に有効ではなかろうか。

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返却した大分店は、JR大分駅から徒歩5分の場所と、アクセスも良好だった。

(文=渡瀬基樹)

渡瀬基樹/フリーライター

渡瀬基樹/フリーライター

1976年、静岡県生まれ。ゴルフ雑誌、自動車雑誌などを経て、現在はフリーの編集者・ライター。自動車、野球、マンガ評論、神社仏閣、温泉、高速道路のSA・PAなど雑多なジャンルを扱います。

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