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“爆安”日進レンタカーを借りてみた!恥ずかし広告入り、20万キロ超、でも快適な理由

文=渡瀬基樹
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日進レンタカーの「マスコットカー」は、格安で借りることのできるコスパに優れたプランだ。(写真すべて筆者撮影)

 レンタカー会社には、主に車両仕入れ時に新車だった車を中心に貸し出す大手レンタカーと、中古車を仕入れてリーズナブルに貸し出す格安レンタカーがある。前者はトヨタレンタカー(トヨタレンタリース)や日産レンタカーMMCレンタカー(旧・三菱レンタカー)などの自動車メーカー系と、ニッポンレンタカーオリックスレンタカーなどの非メーカー系がある。

 車種ラインナップは、メーカー系は当然ながらそのメーカーのモデルに限られる。非メーカー系は多様な車種がラインアップされているが、クラスは選べても特定の車種を指定できないことが多い。なお、前身が旧マツダレンタカーであるタイムズカーレンタルは、輸入車を含めて取り揃えているため、現在は非メーカー系といえる。

 格安レンタカーは、ニコニコレンタカーワンズレンタカーなど、自動車整備工場やガソリンスタンドがフランチャイズとして、副業的に店舗を運営しているケースが多い。そのため、各店によって車の仕入れはまちまち。車種も店舗によって異なるが、車種は指定できる(あるいはされている)場合が多い。ただし、現行モデルか旧型か旧々型かはわからないのが難点だ。

 別の視点で分類すると、全国展開しているチェーンと、限られた地域に数店舗~数十店舗を構える地域限定型に分けられる。ここまで述べたレンタカー会社は基本的にすべて全国展開しているもので、料金体系も基本的には全国共通だ。地域限定型のうち、特に新車仕入れ系の会社は、全国チェーンより若干価格が安いケースが多い。

ベンツのSクラス、BMWの7シリーズまでラインアップする日進レンタカー

 今回は、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城で31店舗を構える日進レンタカーで借りてみた。大手チェーン系を除けば、関東地方では規模が大きめのレンタカー会社で、首都圏ではAMラジオで流れるCMや、都営バスのラッピング広告などで、見聞きしている人も多いのではないだろうか。

 車種も軽自動車からメルセデス・ベンツのSクラス、BMWの7シリーズまでラインアップしている。商用車も軽トラから4トントラックまで、さらにはマイクロバスやキャリアカー(自動車積載車)まで揃えている幅の広さだ。

 難点といえば、とにかく駅から遠い営業所が多いことだ。都内にある6つの営業所でさえ、駅からはある程度歩く。他県の営業所はバスを使わないと厳しいところも少なくない。

 これはおそらく、商用利用が需要の多くを占めているためだろう。営業所の多くが、工業団地などの近くに立地しているのだ。むしろ都心にある営業所のほうが、同社では異質な存在なのかもしれない。

 とはいえ、個人利用に力を入れていないわけではない。前述のように広告展開には熱心だし、利用者は月ごとに決められたプレゼントがもらえる。過去にはカップラーメンやボンカレーとパックご飯のセット、ドリンクなどが用意され、今回借りた6月は今治タオルをもらった。

 さらに特徴的なサービスが、ウェブで予約すれば乗用車などが「2日間以上で1日分無料」というものだ。この場合の「1日分」とは暦日料金(0:00~24:00)のことで、8:00~翌20:00の最長36時間が、1日分の料金で利用できるのだ。

 たとえば格安レンタカーのニコニコレンタカーの場合でも、軽自動車を8:00~翌20:00の36時間借りると、6380円(ニコレンメイト価格)となる。これが日進レンタカーなら、4200円(会員料金)で済む。

 もう1つ魅力的なのが、マスコットカーという特別な車両だ。派手な黄色に青の文字という同社のイメージカラーで、ボディサイドに「日進レンタカー」とデカデカと書かれたラッピングカーで、ノーマルなカラーの同型車の半額で借りることができる。ラッピングカーをウェブ予約すれば、最長36時間を2600円~という料金で借りられる、驚異的なコンボが炸裂する。

レンタカーではまたまた見ない20万km超の初代日産ノート

 今回借りたのは、まさにその最強コンボ料金の日産・ノート(初代)だ。トヨタ・ヴィッツホンダ・フィットが市場を席巻する中、個性的なルックスだが男性ウケが悪かったマーチが取りこぼしていた需要を補うために投入された、世界戦略車のコンパクトカーだ。

 いかに新車で導入されたとはいえ、走行距離は既に20万kmを優に超えているため、外観やシートは並の中古車よりくたびれてはいる。だが機関の調子は思いのほか悪くない。エンジンの回りもいいし、異音も特に聞こえない。足回りも意外にしっかりしている。メンテナンスが行き届いているのだろう。

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走行距離は22万5000km超。一般的な車の寿命の目安が10万km、廃車にされる車の平均走行距離が7万kmといわれているので、かなりの多走行車だ。
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シートは距離の割にヤレておらず、しっかりしている。ハンドルやダッシュボードにも大きな傷はなく、内装はまずまずきれいなほうだ。

 高速道路には乗らず、一般道をそれなりに渋滞に巻き込まれながら150kmほど走ったが、燃費は14km/Lほどと、それほど悪くない。もともとノートはハンドリングが軽快で、ミッションがCVTの割には応答性もよく、車庫入れなどの切り返しもしやすい。乗っていて楽しく、わざわざ指定したくなるモデルだ。

 もちろん、タイヤが1本だけ銘柄が違っていたり、ETC車載器が膝が当たる位置に付けられていて邪魔だったり、真っ赤なフロアマットが半分はげかけていたりと、難点はいくつかあるが、これは走行距離の多いレンタカーにはありがちなことだ。

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リアシートはフラットに倒れるタイプなので、荷物を運ぶときには便利。
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フロアマットのくたびれ具合はともかく、ETC車載器が左膝に当たって痛い。足踏み式のパーキングブレーキだけになおさらだ。
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タイヤはブリヂストンのネクストリーなのだが、なぜか右フロントだけダンロップのエナセーブ。パンクでもしたのだろうか?
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ナビは思い切り古い。2018年まであった「サンクス」(コンビニ)のアイコンはともかく、2011年にブランドが消滅した「am/pm」にはびっくり。

 評価に困るのが、やはりマスコットカーならではのカラーリングだ。とにかく目立つし、知り合いに会ったらなんか言われそうとは漠然と思う。デートや家族での旅行には向かないのはいうまでもない。

 だが1人での外出や、荷物を運ぶためなどに利用するときなら、なんの問題もない。遠方の営業所まで出向くことをいとわなければ、この抜群のコスパは間違いなく「推し」だ。

(文=渡瀬基樹)

渡瀬基樹/フリーライター

渡瀬基樹/フリーライター

1976年、静岡県生まれ。ゴルフ雑誌、自動車雑誌などを経て、現在はフリーの編集者・ライター。自動車、野球、マンガ評論、神社仏閣、温泉、高速道路のSA・PAなど雑多なジャンルを扱います。

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