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ユニクロ、「値下げで品質劣化」は本当?徹底検証…値上げ時のほうが低品質?

文=森井隆二郎/A4studio
ユニクロ、「値下げで品質劣化」は本当?徹底検証…値上げ時のほうが低品質?の画像1ユニクロの店舗(「Wikipedia」より/Kuha455405)

 ユニクロといえば日本を代表するファストファッションブランドだが、近年は売り上げの低迷や店舗の客離れがたびたび話題となっている。ここで推察されるのは、値上げ政策の失敗というシンプルな理由だ。

 まず、2014年4月の消費税増税に伴い、ユニクロは内税から外税へと移行した。これだけでも従来より割高なイメージを与えてしまうのに、その後、秋冬の新商品を平均して5%値上げ。こうした傾向は、15年に入っても続くことになる。

 値上げの裏側には原材料費の高騰や円安などの問題があったと見られるも、ユーザーの理解を得られていたとはいいがたい。16年4月に発表された「2016年8月期上期 業績および通期見通し」によれば、国内ユニクロ事業の営業利益は前年同期比で28.3%減、客数も6.3%減と、かなり厳しい結果が報告されている。

 そこでユニクロは、16年の春頃から低価格路線へと回帰し、対策に打って出た。それまで実施されていた週末限定セールは影を潜め、「平日も週末も、毎日お買い求めやすい価格」を掲げるようになったほか、筆者が足を運んでみた店舗でも、防寒下着の定番・ヒートテックが「昨年(15年)より300円お安くなりました」とPRされていたものである。

 しかし元をたどると、ユニクロの親会社であるファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、15年8月期の決算説明会質疑応答にて「我々は品質を下げないために、価格を上げざるを得ない」との言葉を残していたのだ。

 昨今になって商品の値段を見直してくれたことは喜ばしいが、柳井会長の言葉の揚げ足取りをするならば、以前、品質を下げないために価格を上げたのであれば、「価格を下げた=品質を下げた」と邪推することもできる。つまり、ユーザーの知らないところで値下げによる品質低下を招いているのではないだろうか。

 現にインターネット上では、「何回か洗濯しただけで型崩れしてしまった」というような、最近のユニクロ商品に対する不満の声も散見される。

“値下げ=品質低下”でないばかりか品質向上も?

 そこで、実際に値下げによる品質低下という事実があるのかどうかを確かめるべく、まずはファーストリテイリングのコーポレート広報に話を聞いた。

「ユニクロの商品は、品質に関しまして最大の注意を払い、今期の商品に関しましても、15年同様、もしくはそれ以上の品質を継続しております。なお、商品の価格を抑えるためには、原材料費だけでなく、さまざまな要因が絡んでおりますので、全体的に見て『お客様がお買い求めやすい価格』に設定できるよう、日々企業として努力している次第です」

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