――客としても、Fパートナーから日本人と同等あるいはそれ以上のサービスを受けると感動しますね。
石野 07年から始めたFパートナーの戦力化は、一朝一夕にはできませんでしたが、ここまで到達できたことは本当によかったと思います。
外国人にも、優秀な方はたくさんいます。日本語もわからないなかで訪日して日本語学校に入学、大学や専門学校に進学しながら学費や生活費を稼ぐという方が多くいます。バイタリティにあふれているし、頭が下がる思いです。異国でがんばっている外国人が日本人のような親切さを提供することで、お客様も感動を得る機会が多くなっているのだと思います。
「ねぎしに勤める前は、人として扱ってもらえなかった」
――外国人労働者について、「安いから使い勝手がいい」と考える経営者もいます。貴社のような、「経営理念を共有すれば仲間である」という意識は大切ですね。
石野 Fパートナーの声として、「ねぎしに勤める前は、人として扱ってもらえなかった」という意見がありました。仕事もろくに教えてもらえず、材料のように扱われてきたということです。そのため、弊部門名は「人材」ではなく「人財」であり、「教育」ではなく「共に育む」という意味で「共育」です。「人財共育部」なのです。
――最後に、ねぎしの今後のあり方とFパートナーの方向性について、お願いします。
石野 少子高齢化は避けられません。お客様も働く人も減る時代が、そう遠くない時期にやってきます。20年までに「経営理念とともに人が育ち、人が集まる組織」に転換する。それが、これからの課題です。
私どもは、Fパートナーという言葉通りに、外国人アルバイトも日本人と同じ「働く仲間」であると思っています。ねぎしが100年永続するためには、日本人も外国人も関係なく、人と会社がともに成長し続ける必要がある。そういった方向性を軸に、今まで以上に邁進していくつもりです。
――ありがとうございました。
(構成=長井雄一朗/ライター)