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イオンも沈めた豪腕を発揮する!?

ドン・キホーテ 、連続放火にオリジン買収など流通界の異端児…創業者が8年ぶりに社長復帰

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 イオンによるTOB期間中に、ドンキがTOBに頼らずにオリジン株式を買い占めた手法に対してはルール違反との批判が相次いだが、安田氏は「TOBに関する規制は立法過程にあり、現行のルールは守っている」と、こうした批判を突っぱねた。金融庁はTOBのルールをクリーンにするために、TOB期間中に買収される予定の企業の株式の3分の1超を保有する別の会社が、被買収企業の株式を買い進めることを禁止し、TOBに応じるよう義務付けた法案を国会に提出する準備を進めていたからだ。法案が成立すれば、ドンキのやり方は“違法”ということになっていたわけだ。

 その後、イオンの岡田元也社長と安田氏のトップ会談で、イオンが実施中のTOBにドンキが応募することで決着がついた。結局3月31日、TOBが成立。イオンはオリジンの株式全体の96.67%を取得して子会社に組み入れた。取得総額は525億円だった。

 ドンキによるオリジンの乗っ取り劇は、当初から、マネーゲームと見る市場関係者は少なくなかった。過半数超えまで株を買い増すことは可能だったが、一転してTOBに応じたのは、もともとマネーゲームで利ザヤを稼ぐのが狙いだったとみられていたからだ。保有株をイオンに売却して、ドンキは子会社の分と合わせて約57億円の売却益を得た。オリジン株式を3.6%保有する安田氏個人は、20億円で売却し、5億円の利益を手にした。

 安田氏は、もっとしたたかだった。07年11月、関東圏では最大級のショッピングモールであるイオンモール千葉ニュータウン店に隣接して新棟がオープンしたが、その1階に核店舗としてドンキが入居した。

 ドンキのイオンモールへの出店はこれが初めて。オリジンのTOB合戦の最中に、出店交渉を行っていたことになる。イオンのTOBに応じる代わりに、イオンモールへの出店を認めさせたのだろうか。

 抜け目のない、したたかな商売人であることを、この事実が裏付けた。そして今回、その安田氏が社長に復帰した。ドンキは、どんな嵐を巻き起こすのだろう。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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