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日産とスバルの不正検査問題の背景
――自動車業界を揺るがす、日産とスバルの無資格者による完成検査問題については、どうとらえていますか。
西村 有資格者が完成検査を行うというのは、日本独特のルールです。この仕組みにより、日本の自動車の安全性は担保され、安全性の著しい低下も防げます。自動車メーカーにとっても信頼にかかわることなので、そもそも不備があるクルマを意図的にマーケットに出すことはありません。
日産とスバルは日本販売分の出荷を一時ストップしていましたが、その間も外国向けには出荷していました。これは、輸出しているクルマは世界的な基準に照らし合わせても問題がなく、リコールの可能性が低いからです。
ただし、心証の問題があります。法律的には有資格者による完成検査を義務化しているにもかかわらず、実態は有資格者のハンコを押して無資格者が完成検査をしていた……当然、ユーザーの印象は悪くなります。「この完成検査を無資格者がやればいい」となると、世論の批判が高まることも理解できます。
ただ、本当に深刻に考えなければならないのは、「リコール隠し」や「不正ソフト使用」などといった、クルマの安全性や性能に直接かかわる問題です。
どのように良いクルマをつくって販売していくか、自動車メーカーは体質が問われています。無資格者による完成検査問題は、個人的意見としては、クルマ全体の安全性が大きく揺らぐことはないと考えていますが、企業の体制・体質が問われる課題のひとつだととらえています。
(構成=長井雄一朗/ライター)
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