日用品から生活雑貨、衣類、おもちゃなど、幅広い商品ラインナップが特徴的な「ドン・キホーテ」。その店舗展開は日本国内だけにとどまらず、ハワイやカリフォルニア、シンガポール、香港など海外にも着々と店舗を出店し、今年3月にはマレーシアの首都であるクアラルンプールに店舗をオープンした。
そんなドンキは2009年に「情熱価格」というPB(プライベートブランド)を立ち上げ、現在は約3900アイテムを展開している。今年で12年目を迎える情熱価格だが、2月24日にロゴマークの変更や新ブランドライン「ありえ値ぇ情熱価格」の登場、ユーザーからのダメ出しを募るウェブサイト「ダメ出しの殿堂」開設といった一大リニューアルが発表された。
ドンキを運営する株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの代表取締役社長CEOである吉田直樹氏はリニューアルの発表会で、「安さを追求するあまり面白味に欠ける商品をつくっていた」と発言。ユーザーの意見を反映させた商品づくりに取り組んでいく意向を表し、“プライベートブランド”ならぬ“ピープルブランド”への変革を目指すことも宣言している。
今後の発展が期待されている「情熱価格」だが、やはり改善の余地のある商品もいくつか見られるようだ。そこで「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は、売り場面積の広さと品揃えの豊富さが特徴の「MEGAドン・キホーテ」で販売されている情熱価格商品を独自に調査し、「この春、ドンキの買ってはいけない商品5品」を選出した。
薫麦 食パン 5枚/78円(税別、以下同)
最初に紹介するのは、2019年10月15日付当サイト記事『ドンキ、激安でも買ってはいけない商品5選…ボロボロになる歯ブラシ、洗えない食器用洗剤』でも取り上げた「薫麦 食パン」。製パン会社として有名な第一パンとのコラボ商品ながら、その品質に難があると指摘されていた商品だったが、約1年半たっても相変わらずのクオリティだったため、あらためて“買ってはいけない商品”として注意を促したい。
風味の豊かさを謳っているにもかかわらず小麦の香りがしないことと、パサパサとした口当たりに批判が集まっており、実際に焼かずに食べてみたところ、やはり小麦の香りはせず、パサついた食感がダイレクトに感じられた。
しかし、食感についてはトースターで焼き上げ、ジャムやバターを塗って食べてみると、そこまでパサついた感覚はなく、美味しく食べることができた。とはいえ、値段の安さもあってスーパーなどで売られている他メーカーの食パンよりも少々味は劣っているため、パンにこだわりが強い方は購入を避けるのが妥当だろう。
うまみ凝縮 あらびきポークウィンナー/198円
「うまみ凝縮 あらびきポークウィンナー」は、JAS(日本農林規格)の上級認証を得ている商品。しかしながら、味や食感に関してはあまり評判が良くないようだ。
実際に購入し、ボイル調理をして試食してみたところ、商品の特徴である噛んだ瞬間のパリッとした食感こそあったものの、中身は弾力がなくグニュッとしていてイマイチだった。また、塩気も少々強すぎるように感じる。
野菜炒めの食材に使用したときは美味しく食べることができたため、調理法によっては化ける可能性もあるのだろう。だが、さまざまな調理法を試して美味しい食べ方を発見したくなるほど品質が高い商品というわけでもないので、ウィンナーで失敗したくない場合はほかの商品を当たるべきだ。
防水救急ばんそうこう 100枚/128円
「防水救急ばんそうこう 100枚」は、2020年1月9日付当サイト記事『ドンキ、安いけど“大不評な”商品5選…撮影しづらいドラレコ、水に弱い「防水」絆創膏』でも紹介した商品。新生活を迎えるにあたって衛生用品を新たに購入する方も多い今の季節に、あらためて取り上げたい。
以前、欠点として挙げたのは、粘着力と防水性能の低さ。実際に怪我をしていた部位に一日この商品をつけて過ごしてみたところ、粘着力については申し分なかったのだが、手を洗おうと水につけたところ、たちまち傷口部分に水が染み込んできてしまった。
傷口が物に当たることや、服に擦れてしまうことを防ぐだけならばいいが、防水性能に期待して購入するべきではない。100枚入りで128円という価格設定は破格だが、水仕事が多い方は安物買いの銭失いにならないよう気をつけてほしい。
絶品ごはん 土鍋炊き 電気式土鍋炊飯器/1万2800円
情熱価格では家電もラインナップされており、「絶品ごはん 土鍋炊き 電気式土鍋炊飯器」もそのひとつ。熱がよく伝わる本格土鍋釜を内釜に使用しているため、美味しいごはんを炊くことができると評判になっているようだ。
そんなこの炊飯器の難点として挙げられているのが、水加減の難易度の高さ。ユーザーの口コミからは「水加減に少し慣れが必要」「普通に炊いてもこげができる」など、水加減の調整に苦しむ声が見受けられる。
だが、商品自体の品質は高く、通常の炊飯だけでなくおこげ、おかゆ、スープ、煮物の5つのモードが備わっているので、上手く使いこなせれば調理の幅がグッと広がることは間違いないだろう。
大盛り ほうれんそう&ベーコン バター醤油/158円
ドンキと王道のパスタブランドであるオーマイのコラボ商品が、この「大盛り ほうれんそう&ベーコン バター醤油」。オーマイとのコラボということもあって味のクオリティは高く、バターと醤油による和の風味が楽しめるのだが、少々期待外れな面もある商品となっている。
不満の声が上がっている原因は、具材の量の少なさにある。大盛りなのはパスタだけで、その上にのせられている食材はほうれんそうとベーコンはほんの少しだけだった。パスタの量と比較すると、圧倒的に少ないと言わざるを得ない。
パスタの量のおかげで満腹にはなるものの、具材の少なさを考えると満足度は微妙なところ。特に具材に期待して購入した場合、開けたときに落胆してしまうだろう。
今回取り上げた商品はあくまで調査班の独断でチョイスしたもので、なかには使い方・食べ方に気をつければ価格以上のパフォーマンスを発揮してくれるものも少なくない。ドンキでの買い物の際はこの記事を参考にしていただければ幸いだ。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※情報は2021年3月26日現在のものです。