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セブンの店舗オーナー、死亡率が官僚の6倍?オーナーが不眠で50時間連続勤務の例も

文=飯塚盛康/社会保険労務士
セブンの店舗オーナー、死亡率が官僚の6倍?オーナーが不眠で50時間連続勤務の例もの画像1セブン-イレブンの店舗

 今、コンビニエンスストアのフランチャイズチェーン(FC)店オーナーの過酷な労働実態が問題になっています。

 セブン-イレブンの東大阪南上小阪店は、かねてからの人手不足に加えて、オーナーの松本実敏氏と一緒に働いていた妻が2018年5月に亡くなり、松本氏が連続16時間超の勤務を強いられることになりました。そのため、今年2月から未明の営業を取りやめましたが、それが原因でセブン-イレブン・ジャパンと対立していることが報じられています。

 同じくセブンでは、18年2月に大雪に見舞われた福井県の店舗でオーナーの営業中止要請が本部に却下され、オーナーが約50時間も不眠で勤務したことが伝えられています。

 いずれも一般企業であれば考えられないケースですが、コンビニのFCオーナーは労働災害の適用外とされています。そして、過労死をはじめとする健康リスクが非常に高いことをご存じでしょうか。

死亡率は官僚の6倍、病気やケガは9倍以上?

 セブン-イレブン加盟店共済会(以下、セブン共済会)の資料によると、2012年7月1日から13年6月30日の1年間に、一般の死亡保険金に該当する弔慰金を支払った人数は43人(計9億1100万円)です。

 中央省庁の労働者が組織している霞が関国家公務員労働組合のアンケート調査で長時間労働のワースト3に入り、約4割の人が「過労死の危険を感じたことがある」と答えた某省庁にあるグループ保険の16年度の資料によると、加入者数約6600人で死亡保険金を支払った人数は6人です。死亡保険事故発生率は0.09%です。

 仮に、セブン共済会が某省庁のグループ保険と同じ死亡保険事故率だとすると、加入者は約4万7800人(43人÷0.0009)となりますが、12年度のセブンの店舗数は1万5072店なので、全オーナーが加入したとしても約1万5000人です。仮に加入率が50%とすると死亡保険事故率は0.57%となり、4割の人が過労死の危険を感じている某省庁の約6倍の確率で亡くなっていることになります。

 また、厚生労働省の「人口動態統計年報」(16年)を見ると、一般男性の40~44歳の死亡率は0.097%なので、これと比較してもセブン共済会は約6倍程度の死亡率になります。さらに、厚労省の「人口動態職業・産業別統計の概況」(12年)を見ると、男性有職者の40~44歳の死亡率は0.08%となっており、同様にセブン共済会の死亡率は約7倍となります。以上のことから、セブンオーナーの死亡率は一般的なケースよりも6~7倍程度高いといえるでしょう。もちろん、すべてが過労死かどうかはわかりませんが、それだけ健康リスクが高いということはいえそうです。

 また、セブン共済会には就業不能見舞金というものがあります。これは一般的に病気やケガで仕事ができなくなったときに支払われるものですが、セブン共済会は12年に490件を給付しています。

 国家公務員労働組合連合会が設立した国公共済会やコープ共済の生命共済は、障害等級1級(脳・心臓疾患で常に介護が必要な状態)、2級(脳・心臓疾患で随時に介護が必要な状態)、3級で死亡保険金の100%が支払われ、以下、4級から14級まで率が漸減して14級で2%支払われます。セブン共済会の就業不能見舞金は1件当たりの平均給付額が約32万円なので、国公共済会と同じように、障害等級4級から14級に該当する人に給付している可能性が高いと思います。

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