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すき家、空前の繁栄…値上げでも大幅増益、吉野家は値上げで深刻な客離れ→利益ほぼゼロに

文=佐藤昌司/店舗コンサルタント
すき家、空前の繁栄…値上げでも大幅増益、吉野家は値上げで深刻な客離れ→利益ほぼゼロにの画像1すき家の店舗(撮影=編集部)

 牛丼大手3社の業績の明暗が分かれている。

 ゼンショーホールディングス(HD)の2019年3月期連結決算は、売上高が前期比4.9%増の6076億円、営業利益は6.9%増の188億円。売上高営業利益率は3.1%だった。

 吉野家HDの19年2月期連結決算は、売上高が前期比2.0%増の2023億円、営業利益は97.4%減の1億円。営業利益率は0.1%だった。

 松屋フーズHDの19年3月期連結決算は、売上高が5.5%増の981億円、営業利益は5.7%減の38億円。営業利益率は4.0%だった。

 ゼンショーHDは増収増益のため“好調”、吉野家HDは小幅な増収にとどまったほか、大幅な減益で赤字寸前のため“絶不調”、松屋フーズHDは増収減益ながらも3社のなかでは1番高い利益率を確保したので“まずまず”、といったところか。

 3社の牛丼店では、ゼンショーHDの「すき家」が特に好調だった。19年3月期の既存店売上高は前期比3.3%増と順調に伸びた。18年5月以外のすべての月が前年を上回った。次いで好調だったのが松屋フーズHDの「松屋」で、19年3月期の既存店売上高は1.9%増だった。18年7月以外のすべてで前年を上回った。一方、吉野家HDの「吉野家」は伸び悩んだ。19年2月期の既存店売上高は0.8%増にとどまっている。

 3社の牛丼店で明暗が分かれたのはなぜか。「商品」と「値上げ」の面で正否が分かれたことが大きいだろう。

3社の商品戦略

 まずは「商品」の面で各社がとった施策を見ていく。

 すき家は季節限定の商品をほぼ毎月投入したことが奏功した。「シーザーレタス牛丼」「ニンニクの芽牛丼」「しび辛もやし牛丼」「白髪ねぎ牛丼」といった季節限定商品を次々と投入。いずれも高額で、先に挙げた4商品はすべて並盛りが500円と定番の牛丼並盛り(350円)より4割以上高い。ほかに、500円より高額のものも投入している。

 すき家の季節限定商品は野菜を多く取り入れているのが特徴だ。先の4商品は商品名にある通り、それぞれレタスやニンニク、モヤシ、ネギを使っている。すき家では「すき家de健康」をテーマに健康に配慮した商品の販売に力を入れている。健康志向の消費者を取り込む狙いだ。こういった商品が消費者に受け、集客に成功した。

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