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欧米が本格的なスマートグリッド導入を推進しているのに対し、日本では小規模な実証試験がいくつか行われているにすぎない。このため、今後予定されている欧米と日本のスマートグリッド関連投資予算には圧倒的な開きがある。野村證券金融経済研究所の調査によれば、米国は約4兆7000億円、欧州は約4兆4000億円なのに対し、日本は約1兆3000億円と欧米の3分の1以下だ。
大手10社は、停電時間は短いが、需給調整能力が極めて低い送電網を維持するため、毎年多額の設備投資をしている。例えば東京電力の場合、2010年度の設備投資額約5100億円のうち46%を送電網関係に投入している。その送電網の電力供給システムが、時代の変化で陳腐化してきている。しかもスマートグリッド導入に消極的だ。
「電力が足りなくなれば止めればいい。運転コストが上がれば料金を値上げすればいい」との安易な考えで、大手10社が運営している日本の電力供給システムは、関係者の間で「早晩ガラパゴス化する」との危惧の声も高まっている。
(文=福井 晋/フリーライター)
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