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パワー半導体は、家電や産業機器などのモーターを制御する基幹部品。市場規模は12年で160億ドル程度だが、搭載が見込まれる機器の裾野は広い。ハイブリッド車や電気自動車の普及で、今後、自動車向けにも爆発的に需要が拡大する可能性が高い。
パワー半導体市場では、これまで三菱電機、東芝、独インフィニオン・テクノロジーズが、それぞれ10%弱の市場シェアを握り、しのぎを削ってきた。ロームは完全に蚊帳の外だったが、技術の大きな変換をにらみ大勝負に出ているのだ。
他社に先駆けた炭化ケイ素(SiC)製パワー半導体開発
パワー半導体は、基板に回路を描くなどしてつくられる。基板にはシリコンを使ってきたが、電力ロスを少なくするために、基板を薄くするなど性能向上を進めてきたが、限界が近づきつつある。そこで技術のブレイクスルーとして注目を集めたのが、基板自体に使う材料を替えるという考え。炭化ケイ素(SiC)を使うことで、電力ロスを従来製品に比べ7割前後抑えることができる。
業界関係者は「今、日本で使われているシリコン製パワー半導体をSiC製パワー半導体に切り替えれば、原子力発電所が3基いらなくなるともいわれている」と鼻息荒く、今後の成長性を語る。
焦る三菱と東芝
そのSiC製半導体で、ロームは大手電機を相手に先行する。10年4月に日本勢では初めて生産を開始した。これに慌てたのが競合勢。三菱は、11年の生産を前倒ししてその年の秋に生産を開始。東芝も計画を1年前倒しして、12年度内の実用化を目指している。枯れた技術でのニッチ商品で稼いできたロームが、先端技術でトップランナーに変身する強烈な意欲を内外に示したわけだ。
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