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●JDIは大幅に公募価格を下回る
以上みてきたようにIPO熱が盛り上がる中、「投資家の期待を裏切った」と批判を集めているのが、ジャパンディスプレイ(JDI)の上場だ。日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合してできた同社は、スマートフォン(スマホ)やタブレット向けの小型液晶で業績を伸ばし、3月に東証1部へ上場したが、そのわずか1カ月半後の4月28日、14年3月期の連結業績を大幅に下方修正した。連結経常利益は193億円で従来予想を33億円下回り、14%強の下方修正だ。売上高は6142億円で従来予想を92億円下回り、営業利益も従来予想の304億円に対し272億円となった。
スマホ向け液晶パネルの市場価格が下落し、一部製品で価格交渉が難航し、出荷の見合わせが発生したとJDI側は説明しているが、上場審査を行った東京証券取引所や主幹事証券会社の野村證券への疑念も広がっている。
JDIの公募価格900円は当初から「信じられないほど割高」(外資系証券会社のアナリスト)と受け止められていたが、業績の下方修正を受けて株価は急落。4月28日の終値は前週末比127円(16%)安の672円となり、上場来安値を更新した。その後も下げ続け、4月30日は605円まで下げた。上場以来の高値は4月2日の836円である。上場後、一度も公開価格を上回ったことはなく、損失を被った個人投資家からは不満の声も出始めている。
(文=編集部)
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