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チェキ、なぜ廃番寸前から国内外で人気沸騰?偶然重なり価値再認識、一部で必須アイテムに

2014.08.01 2014.08.01 00:03 企業

 ポラロイド写真といえば、かつてはインスタントカメラの代名詞だった。その製造元の米ポラロイドは、08年12月に経営破綻し、市場から立ち去った。業界関係者は「今ではインスタントカメラ分野の市場調査レポートがないので断言できないが、インスタントカメラ市場で富士フイルム以外の有力メーカーは見当たらない。したがって同社は、インスタントカメラ市場の事実上の独占メーカーと見てよいだろう」という。

 チェキ人気は今、韓国・中国からインドネシアなどの東南アジアに飛び火、さらに一昨年あたりから欧米にも人気が広がりつつある。例えば、米流通大手のウォルマートは、前年度までは全米約1200店で販売している程度だったが、今年度からは一気に全店(約3800店)へ販売を拡大した。チェキは海外販売比率が約85%に達するグローバル商品でもある。

 富士フイルム関係者は「チェキは機能面でもデザイン面でも改善の余地が多く、これからもどんどん進化してゆく。3年後には世界で500万台を販売したい」と鼻息が荒い。

 デジタル化という市場激変にさらされ、フィルム事業を極限まで縮小せざるを得なかった事業構造転換の過程でも守り続けたフィルム技術が、富士フイルムをインスタントカメラ市場の独占的メーカーに押し上げたといえる。
(文=福井晋/フリーライター)

BusinessJournal編集部

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