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「経営の自主性を保ちたいため、出資比率はできるだけ低く、せいぜい10%くらいが良いと経営陣は考えている。その水準なら持ち合いに毛の生えた程度ですし、うるさいことは言われずにすむ。でも、提携先にとっては、それではメリットがないので、過半数以上を持つオプションの保有を要求している。そこが資本提携の最大の壁になっている。パナソニックは、このために降りた」
提携打診2社のうち最有力なのは、ソニーとみられている。その理由について同関係者は、
「映像事業は現在は赤字ですが、顕微鏡に続き1930年代に始まったオリンパス第2の事業に位置づけられる。歴代社長も映像部門出身で、映像部門の社内での影響力は依然として強い。一方、不祥事を受けて急遽登板した笹宏行社長は、エリートではあるものの、内視鏡畑が長く、直前まで医療事業の海外営業本部長で、社内での権力基盤は脆弱です。映像のリストラを促すような経営判断をできるとは思えない。だから、ソニーとの緩い資本提携が一番なのです」
と語る。
テルモとの提携
医療事業のシナジーということでは、「テルモとの提携は、こちらが胃などの消化器系の医療機器、あちらは心臓などの循環器系の医療機器で、事業領域の重複もなく、相互補完が成り立つ。しかし、映像事業のシナジーが、まったくなくなってしまう」(同)というのだ。
一方、取締役11人のうち、実に8人を占める社外取締役陣も「資本提携や新規事業の売却、映像のリストラなど、のちのち株主代表訴訟の対象になりかねない事案については、口を挟まないようにしている」(同)と明かす。
オリンパスの笹社長はどういった結論を出すのか。残された時間は少ない。
(文=森岡英樹/金融ジャーナリスト)
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