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ここからがジュニアのパパで、7&iの総帥、敏文会長の出番だ。ネット通販事業を再建するため、グループ各社の通販サイトをセブンネットショッピングに集約。専門技術者を大幅に増やし、システム開発を内製化してノウハウの蓄積に務めている。
ネット通販をリアル店舗のように勝者に生まれ変わらせることは、息子をネットビジネスの成功者にすることだ。後継者に据えるには成功体験が必要不可欠だ。
鈴木敏文氏はコンビニエンスストア・セブン-イレブンの生みの親ではあるが、グループの母体のスーパーマーケット・イトーヨーカ堂の創業者ではない。創業者の伊藤雅俊・名誉会長(88)は伊藤家の資産管理会社と合わせて9.5%の株式を保有する筆頭株主だ。7&iの取締役にはイトーヨーカ堂出身者が複数在籍し、鈴木氏が率いるセブン-イレブン出身者とのバランスが保たれている。
伊藤氏の息子が7&i取締役執行役員の伊藤順朗氏(55)である。雅俊氏には2人の息子がいるが、長男の裕久氏は02年、イトーヨーカ堂専務を最後に退社した。雅俊氏の後継者と見なされていたが、「鈴木氏は裕久氏をあまり高く評価していなかった」との声が漏れてくるなど、当時、7&iの実力者である鈴木氏との確執が噂された。
裕久氏の実弟が順朗氏。90年、セブン-イレブン・ジャパンに入社。鈴木氏のもとで修業を積み、09年、7&iの取締役に就任した。現在は執行役員CSR(企業の社会的責任)統括部シニアオフィサーの肩書きを持つが、経営中枢のポストに就いているわけではない。
しかも、順朗氏を後継者と見なす向きは、社内外とも多くない。「創業家出身なので、それなりに処遇されるでしょうが、あくまで『君臨すれども統治せず』になるでしょう」との見方が有力だ。
それでは康弘氏は後継者になれるのか。ネットビジネスで成果を上げないことには7&iの取締役昇格は厳しい。鈴木敏文会長は自分の目の黒いうちに後継候補に引き上げたいのだろうが、最後は「経営者の器かどうか」に帰着する。
(文=編集部)
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