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イオン、ストップ・セブン&スーパー不振挽回狙い奇策 遠大な計画の狙いと成算

文=福井晋/フリーライター
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 前出シンクタンク関係者は「そこでイオンは事業再編で『ウォルグリーン日本版』を目指し、これでセブン-イレブンにストップをかけるシナリオを描いた」と推測する。

●新たなビジネスチャンス創出

 ドラッグストアを拠点とした高齢者ニーズの取り込みは、スーパー事業やショッピングセンター事業では成し得ないビジネスチャンスにもなる。前出シンクタンク関係者は次のように解説する。

「業界の一部ですでに始まっている医薬品の宅配サービス拡充に加え、訪問看護をはじめとする地域医療、サービス付き高齢者住宅、高齢者向け宅配弁当サービス、さらにはフィットネスや理美容関連と高齢者ビジネスに進出する橋頭堡になる。そこで成功すれば1兆円規模の売上創出が可能となり、セブン-イレブンを大きく引き離せる」

 この見方は、22日の記者会見で「医薬品と化粧品を中心に成長してきたドラッグストア事業を、今後は『ウエルネス事業』に進化させたい」と語った岡田社長の言葉とも合致する。

 だが、流通業界担当の証券アナリストは、「今回の事業再編は日本で初のウエルネス事業創出を狙ったイオンらしい遠大な計画であり、その社会的意義は十分評価できる。だが問題は足元のウエルシア。今まで人材交流もほとんどなかった同社を、目論見通りの方向に指導する能力がイオンにあるのか」と、一抹の不安を抱いている。

 イオンが打倒セブン&アイのために描く事業再編の行方が注目される。
(文=福井晋/フリーライター)

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