これに対してサークルKサンクスの14年3~12月の既存店売上高は3.9%減。全店の平均日販は43.6万円。12年2月期の48.9万円が13年同期に46.7万円、14年同期は45.1万円。そして今や43.6万円と、右肩下がりに歯止めがかからない。
●ファミマとサークルKサンクスの蜜月
サークルKサンクスが店舗競争力を失ったことから、11年以降、約490店がローソンやセブンにくら替えした。サークルKサンクスはコンビニ他社の草刈り場になっているが、ファミマだけは手を出さなかった。
その理由は、ファミマがサークルKサンクスの取得を狙っているため、サークルKサンクスをいたずらに刺激することを避けてきたからだといわれている。サークルKサンクスは、かつてファミマと合併寸前まで行ったことがあるが、直前で頓挫したという過去がある。
しかし、ファミマは決してあきらめていない。昨年夏、ファミマがサークルKサンクスに対して、アイスコーヒー用の氷を融通したことが評判になった。コンビニの定番となったレジ横のいれたてコーヒーで、特に夏のアイスコーヒーに欠かせないのが1杯150グラムのカップ入り氷である。氷を確保できなかったサークルKサンクスのために、ファミマが氷メーカーの製造ラインの一部を明け渡した。業界では再編に向け、エールを送ったと受け止められた。
コンビニの14年12月末の店舗数は前年比2479店増の5万1814店。飽和点といわれた5万店を超えた。店舗を拡大するには、他チェーンを本部ごと丸々手に入れるのが手っ取り早い。
キーマンになるのが伊藤忠商事。ユニーHDの株式2.9%を保有する第3位の大株主で、ファミマの親会社だ。伊藤忠が動けば、一気に再編の気運が高まる。
セブンの親会社であるセブン&アイ・ホールディングスがサークルKサンクスを虎視眈々と狙っているという情報もある。岐阜に本社があるスーパー、バロー(15年10月からバローホールディングス)が投資ファンドと組んで、ユニーHDのスーパー部門の買収を仕掛けるという情報も流れている。
(文=編集部)