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チャイナ・プラス1からチャイナ・アンド・アナザー(ASEAN諸国)の実践例

中国はもう魅力なし!?ユニクロ、無印はなぜ撤退を始めたのか?

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post_926.jpgミャンマーよいとこ一度はおいで♪(「Thinkstock」より)
 中国経済を新たな視点で見る「日本企業の投資は中国からASEANへ 視点を変えてみる中国経済」に続き、日本の各企業が、ASEAN諸国でしている具体的な取り組みをお伝えしよう。

 日本企業による東南アジア諸国連合(ASEAN)向け投資が急増している。2012年4~6月には前年同期比4割増の3800億円に達し、中国向け投資(3000億円)を上回った。チャイナ・リスクに積極的に対処するためである。

 11年の日本からASEANへの直接投資は前年の2.4倍となる1.5兆円に増え、中国(1兆円)を2年連続で上回った。直近の12年7~9月も1800億円と中国(1500億円)を上回っている。

■ミャンマー

 08年以降の、ミャンマーの民主化を受けて、進出を検討する日本企業の動きが強まっている。人件費の安さに加え、約6200万人の人口を抱え、東南アジア有数の消費市場として期待されているのだ。人件費の高騰や、人民元切り上げなどのリスクが高まっている中国の機能を補完する「チャイナ・プラス1」の候補地として注目が集まっている。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査では、11年のミャンマーの人件費は月平均約95ドル(約7600円)で、中国の5分の1程度。人件費の高騰が続く中国をはじめ、アジア諸国から生産拠点をシフトしようとする動きが目立つ。

 9月にヤンゴンに開発拠点を設けるNTTデータは、当初50人を現地採用。5年後に500人に増員する予定で、「優秀な人材も増えている」と期待する。タイの洪水で工場が被災したパイオニアも、リスク回避とコスト削減のため、ミャンマーに生産拠点の開設を検討している。

 カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、中国に代わる生産拠点としてバングラデシュを有望視してきたが、「大規模生産は難しい」(柳井正会長兼社長)とミャンマーにシフトする。来年にも縫製工場を設ける方向だ。

 経済成長で中間所得層が増えるとみられ、「一大消費市場」としての将来性に注目する企業も多い。

 クボタは、ミャンマーがコメを食べる農業国である点に目を付けた。「経済成長で農村部の人口が減り、農業の機械化ニーズが進む」とみて、農機輸出を計画する。伊藤園は、ご飯に合う「お~いお茶」など清涼飲料を売り込もうと、生産、販売拠点を設ける。中間所得層の増加を見込み、ローソンも大手コンビニに先駆け、1号店を出す計画だ。

 かつてミャンマーに持っていた拠点を復活させる企業もある。味の素は00年まで、隣国タイから材料を輸入し、「味の素」を製造販売していた。軍事政権下で輸入できなくなり、拠点を休眠状態にしていたが、「近く再開したい」(伊藤雅俊社長)という。

 スズキはミャンマー政府との合弁で、隣国タイから部品を運び、小型車や二輪車を組み立てて年間数百台を生産していたが、10年に契約が終了。現在、再び合弁会社を設立する方向で調整中だ。

 こうした動きをバックアップする態勢も整いつつある。全日本空輸は10月15日、12年ぶりにミャンマー線(成田-ヤンゴン線)直行便を再開した。週3往復運航する。ANAの伊東信一郎社長は「ビジネスだけでなく文化&観光面での架け橋になりたい」と述べた。また、進出を目指す日本企業に情報を提供するため、みずほコーポレート銀行が拠点を新設するなど、金融機関も支援ビジネスに力を入れる。

BusinessJournal編集部

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