このキャンペーンでは、同じく番組をインターネット上に違法公開しないように呼びかける15秒間のスポットCMも全国の民放で流している。そもそも、テレビ番組を無許可でネット上に公開する違法行為は、以前から問題になっていた。なぜ今、このタイミングでキャンペーンを行ったのだろうか。
民放連の担当者に話を聞いたところ、「テレビを視聴しているみなさんに向けて、『番組の違法アップロードが法律に触れることだ』と認知していただくことが目的です」と回答があった。
「確かに、番組のネット上への違法公開は以前から問題になっています。代表的な動画共有サイト『YouTube』『ニコニコ動画』も、以前は違法動画ばかりで、我々のほうから削除していただくように働きかけをしていました。その結果、両者とは互いに歩み寄り、最近では協力して動画の違法アップロードを撲滅する運動を行っています。しかし、そういった良質なサイトばかりではありません。例えば、動画投稿サイト『FC2動画』は、動画の視聴状況に応じて投稿者にお金が入るシステムになっており、違法アップロードの助長につながっています。昨年9月には警察が違法投稿者の一斉検挙に動き出したこともあり、民放連としてもなんらかのアクションを起こそうという流れになりました」(民放連担当者)
前述のテロップは、民放連に加盟する全国138社で放送され、さらに視聴者が多い夜の時間帯に流されたことで、多くの人が目にしたことだろう。違法アップロード撲滅のアクションとしては、一定の認知はあったのかもしれない。
しかし、ネット上では「今さらこんなことをしても効果はない」「画面が見えづらい」「番組の途中に流さないでほしい」などのネガティブな意見もみられる。確実に視聴者の目には入るものの、ともすれば目障りになりがちなテロップという手段を使ったことについて、視聴者から民放連に対する反応はあったのだろうか。
「現段階で、視聴者から届いている意見はネガティブなものが多いです。やはり『なぜテロップなど出すのか』『番組が見えづらくなった』といった類いのものです」(同)