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もうひとつの重荷がデジタル家電の心臓部となる「システムLSI」事業だ。ルネサスの事業は「マイコン」「システムLSI」、家電や自動車の省エネ効果があるセンサやメモリなどの「アナログ&パワー」という3本の柱で構成されている。売上額はほぼ同等だが、収益性は三者三様。一ケタ台後半の利益率をたたき出すマイコン以外は収益性が低い。特にシステムLSIは赤字を垂れ流したまま、10年近くの月日が経過している。この部品事業については、現在富士通やパナソニックとの事業統合が官主導で進められているが、収益性が低い事業同士が統合したところで、再浮上は困難だ。とはいえ自力での再生はほぼ不可能とみる向きが多い。
金融筋は「破たんしたエルピーダは体制がスリムだった。同社の主軸であるDRAMでは成功体験もあるし、ガチンコの勝負で負けたのならば従業員のモチベーションも再起可能。ただ、ルネサスのシステムLSIは一度たりとも成功体験がない。巨額の特損覚悟で整理するしかない」と語る。統合しても自力再生でも大出血は不可避――巨艦は真っ暗闇の中での航海を、なおも続けていく運命なのだろうか。
(文=江田晃一/経済ジャーナリスト)
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