「ASUSは台湾の大手パソコンメーカーの一つで、同社には技術革新やイノベーションの創出と並び謙虚、誠実、勤勉を訴える社是がある。デジタル新時代のリーディングカンパニーを目指すと標榜する一方で、企業人として誠実さと勤勉さを忘れまい、と明確に会社の哲学を従業員に訴えている」
「尊敬」の反対は、「軽蔑」。
NEC:100億円所得隠し…補償金は「交際費」国税判断 – 毎日jp(6月25日)
損金算入について「税務当局と見解の相違があった」とのことだから、「所得隠し」というメディアの見出しも少々大げさな気もしないではない。ただ、なんとも情けないのは「赤字決算のため、追徴課税はなかった」というオチである。
パナソニック:120億円の申告漏れ 大阪国税局指摘 – 毎日jp(5月1日)
パナソニックよ、お前もか! という感じだ。
NECにしろパナソニックにしろ、日本の電機メーカー大手は業績不振で株価は歴史的な安値に低迷している。やはり、行き着くところまで行かなければダメなのか。行き着くところまで行って見事に再生を遂げたのが日本航空である。
日航、9月再上場 – 日本経済新聞Web刊(6月15日)
日航は2012年3月期決算で、連結純利益が1866億円と過去最高益を更新。まさにV字回復だ。営業利益2049億円は、前期に過去最高となる970億円を計上した全日本空輸の倍である。売上高営業利益率は17%と、世界の主要航空会社の中でトップクラス。「やればできるじゃないか」の見本のようだが、紙くずになった日航株の旧株主からは、「だったら潰れる前にリストラしておけ!」との恨み節も聞こえてきそうである。新生JALが急ぐべきは安定株主づくり。特に個人投資家に、いかにJALファンになってもらうかが最大の課題だろう。そのためには利便性とサービスの向上が欠かせない。
国際線機内インターネットサービス JAL SKY Wi-Fi 誕生 – 日本航空HP
こういう取り組みも、”基本的には”喜ばれるだろう。
「スマートフォン、ノートパソコン等の無線LAN対応端末を対象とした有料の機内Wi-Fi接続サービス。Wi-Fi接続後は、機内でホームページの閲覧、メールの送受信、ソーシャル・メディア・ネットワークのアップデート等、日常生活と変わらないインターネット環境をお楽しみいただけます」
こういう取り組みも、”基本的には”喜ばれるだろう、と述べたのは、便利すぎるのも困りもの、という一面もあるからだ。これでは空の上でも仕事に追われることは確実。ホームページの閲覧、メールの送受信、ソーシャル・メディア・ネットワークのアップデート等、日常生活と変わらないインターネット環境は、すべての人にとって「お楽しみいただく」ものとは限らない。
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:マネックス証券チーフ・ストラテジスト
1963年生まれ。上智大学外国語学部卒業。87年大和証券に入社。その後、ファンド・マネージャーを志し、資産運用業界に転身。富士投信投資顧問、フィデリティ投信、JPモルガン・アセット・マネジメントなど、国内系、外資系の運用会社を渡り歩き、株式投資の最前線に20年以上携わる。2010年9月より現職。