ビルボードが集計・発表した2016年の年間楽曲ヒットチャートである「Billboard JAPAN HOT 100 of the year 2016」(以下、HOT100)のトップ10で、ちょっとした異変が起きた。ジャニーズ事務所所属グループの曲が、1曲しかランクインしていないのだ。しかもその曲は、03年に発売されたSMAPの『世界に一つだけの花』であり、SMAP解散阻止を目的としたファンたちの購買活動による結果であることを考慮すれば、「トップ10入りした2016年リリースのジャニーズ曲はゼロ」ともいえる。
ちなみに前年15年にはトップ10に、2015年リリースのジャニーズ曲としては嵐の3曲がランクインしていたが、なぜこのような事態が起こっているのかビルボードジャパンのチャートディレクターである礒崎誠二氏に、その理由を聞いた。
ライブと同じ現象がネットでも
「今回の大きな動きはRADWIMPSの『前前前世』とピコ太郎の『ペンパイナッポーアッポーペン』です。シングルカットされてない曲が、ダウンロードやストリーミングなどで動いた結果です。それにより例年よりも大きく数字が動いて、僕らは潮目が変わったと考えています」(礒崎氏、以下同)
16年の「HOT100」のベスト10は以下の通りだ。
1位:翼はいらない AKB48
2位:前前前世 RADWIMPS
3位:恋 星野源
4位:君はメロディー AKB48
5位:世界に一つだけの花 SMAP
6位:ペンパイナッポーアッポーペン ピコ太郎
7位:LOVE TRIP AKB48
8位:ハイテンション AKB48
9位:SUN 星野源
10位:サイレントマジョリティー 欅坂46
年間の100位まで決定する「HOT100」は、CDの売り上げだけでなく、ラジオでの放送回数、ダウンロード数、動画共有サイト「YouTube」および「GYAO!」での再生回数、ストリーミングの再生回数、ツイートで取り上げられた回数など、複合的に情報を集計している。
「星野源の『恋』にもいえることですが、動画を見て『恋ダンス』を踊ってみて、それをツイートして、それを見た人がダウンロードするというように、音楽の楽しみ方が変わりつつあるような気がします」