山下智久淫行疑惑に「全然アリ」コメントの愚…芸能マネが語る“テレビ局のモラル崩壊”
どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。
先月から世間を騒がせている、“山P”こと山下智久くんの“未成年と飲酒&JKモデルお持ち帰り”報道。山Pは未成年女子高生モデルと飲酒、ホテルに宿泊したことが8月7日の文春オンラインにて報じられ、世間は大騒ぎに。その後、山Pは“一定期間の芸能活動自粛”、酒の席に同席していたKAT-TUNの亀梨和也くんは“厳重注意”という処分が所属事務所のジャニーズ事務所から発表され、一応の決着を見たのですが……。
結局なんの説明や謝罪もないまま自粛に入った山Pに対し、ダウンタウンの松本人志さんは「山Pは俺の“モヤモヤタレントリスト”に入っちゃうよね」(『ワイドナショー』フジテレビ系)とコメントしてたけど、ぼくも同感。今回のスキャンダルにはいろいろとモヤモヤするところが残りまくりですよね。
今回は、あの騒動を、現役芸能マネージャーならではの視点から解説していきたいと思います!
素性がはっきりしない初対面の女性と会うのは、芸能人にとって本当にリスキー
まず、ぼくの担当タレントが同じようなスキャンダルを起こしたと考えたら……まず一番に言いたいのは、「おいおい、ワキが甘すぎるだろ〜! もうちょっと気をつけろよ!」ということ。山Pもいい年の大人の男性だし、女性と会うなと言っているわけではありません。ただ、素性がはっきりしない初対面の女性と……っていうのは、本当にリスキー! 今回のように相手が実は未成年だったという場合もありますし、相手が芸能人だとわかっていて美人局やハニートラップを仕掛けてくるアヤシイ輩も少なからず存在しますからね。
真相はわかりませんが、小出恵介くんや高畑裕太くんの不祥事も、実は美人局に近いものだったのではないかとう話もあります。長年アイドルとして芸能界で生きてきている山Pが、そういった危険性をわかってなかったはずはないのに……。「山P、35歳にもなってこれはナイよ〜!もうちょいしっかりしてくれよ〜!」という感じですね。
結局みんながモヤモヤしているのは、山Pと女子高生の間に“そういう行為”があったかどうかがハッキリしない点ですよね。でもこれは、もうこれ以上ツッコみようがない。同じジャニーズ事務所の先輩だったTOKIO山口達也さんの騒動のように、相手に訴えられているわけでもないし、確たる証拠があるわけでもない。
まあ、“お相手”の女子高生モデルと思しき子が、文春報道の翌日に友達のインスタグラムに「えっ、あの話題の方ですよね? Pとやった……」「ネタじゃないから! マジ本当やめて!」などと友人らしき女性と話しているストーリーをアップされ、大炎上してはいましたが……。
スクープした文春も、2人が同じ部屋にいたかどうかまでは写真に撮れていないし、ハッキリしているのは、あくまで2人が同じタイミングで同じホテルにいたということだけ。もし決定的な証拠があれば、「未成年淫行」の条例違反で、即引退レベルのヤバさです! 山Pのタレント生命、首の皮一枚繋がったというところですかね〜。
「相手が山Pだったら全然アリ」という“あり得ない”コメント
そしてもうひとつのモヤモヤポイントは、問題そのものに加え、ワイドショーなどの情報番組の報道のあり方。ワイドショーやコメンテーターが問題にするのは「相手が未成年であることを知っていたのか」など“未成年飲酒”という点ばかりで、一番気になる「未成年淫行の可能性」については、軽くスルーしている番組が多かった。ネットニュースのコメント欄などでは、このような民放各局の姿勢がジャニーズ事務所への“忖度”ではないかという声が多々見られました。
でもですよ、正直なところ、“ジャニーズへの忖度”というのなら、この問題自体を扱わないでスルーするのがベスト。そうならなかったのは、やはり芸能界におけるジャニーズ事務所の力が弱まってきているからでしょうね。ちょっと前だったら、アンタッチャブルな“完全スルー案件”だったように思われます。ジャニー喜多川氏が亡くなってからどんどん求心力が弱まってきている“ジャニーズ帝国”とテレビ局のビミョーな力関係、そしてテレビ局による中途半端な忖度……。それが、今回の問題を、ちょっと論点がずれた報道にしてしまったのではないか。ぼくはそう見ています。
そして、ぼく的に一番モヤモヤしたのが、街の声として、女子高生や若い女性の「相手が山Pだったら全然アリだよね〜」「前世でどういう善行を積んだら山Pと亀梨くんとお酒飲んだりできるの?」といった内容のインタビューコメントを流していたワイドショーがあったこと。
ジャニーズへの忖度ではなく、テレビ局のモラルの劣化ではないか
そりゃ山Pはカッコいいし、そう思っている女の子はたくさんいるでしょう。でも、未成年飲酒や未成年淫行はやっぱり、現代では法令上やってはいけないことなわけです。それを「破ってもOK」みたいなコメントをテレビで面白おかしく流してはダメでしょう。
こういう「山PがカッコいいからOK」みたいな印象を持たせる報道を“ジャニーズへの忖度”と見る人もいるけど、さっきも言ったように、“忖度”というなら、そもそもこのスキャンダルを扱わないことが一番。そうではなく、こんなふざけた扱いで報道するというのは、“ジャニーズへの忖度”なんかじゃなくて、単なる“テレビ局のモラルの低下”という問題なんですよね。今回の報道では、あらためてそんなことも考えさせられました。
(構成=白井月子)