SMAPなき後、ジャニーズ最古参の現役グループとして君臨していたTOKIOに激震が走った。デビュー後から長年ボーカルを務めていた長瀬智也が来年の3月に事務所を退所してフリーに。残されたメンバーの3人はジャニーズ事務所内で「株式会社TOKIO」という子会社を立ち上げるという。
今年になってからも中居正広、手越祐也とジャニーズの看板タレントが続々と退所を決めるなか、今回の「長瀬脱退と子会社設立」が意味するものとは? あるスポーツ紙の芸能記者はこう語る。
「長瀬さんの脱退はそもそも既定路線。2018年にベースの山口達也さんの不祥事があり、バンドからも事務所からも脱退となりましたが、それ以降バンド活動ができなくなった。デビュー以来毎年出演していた紅白歌合戦も連続24年で途絶えてしまい、新譜のリリースも当然不可能。これは『TOKIOは5人でTOKIOだから、ほかのベースではできない』というメンバー間の総意があったからですが、ここ最近では作詞作曲をひとりで手掛けてきた長瀬さんからすると、『だったらバンドを抜けてでも歌いたい』と思うのは当然のはず。TOKIO愛が強い既存メンバーと、それ以上に音楽愛が強かった長瀬さんとの温度差が、今回のこのような事態を迎えたのだろうと感じましたね。
とはいえ、TOKIOというバンドとしては、デビュー曲『LOVE YOU ONLY』のセールスをいまだ超えられず、代表曲としては新幹線でおなじみの『AMBITIOUS JAPAN!』や中島みゆきさんが手がけた『宙船』だというのは事実。長瀬さんの作詞作曲でこれらの名曲を超えるのはなかなか難しいでしょうし、事務所としては『グループとしてこれ以上の醜聞を垂れ流す前に有終の美を飾りたかった』という側面もあると思います。
本来、TOKIOとしては東京五輪のスペシャルアンバサダーを務めているので、延期となった来年の夏までこのメンバーでいくというのが次善の策だったはず。しかし、来年東京五輪が無事に開催できるかどうかも微妙なうえに、長瀬さんとしても『そこまで待ってられない』という思いも強かったのではないでしょうか」
『ザ!鉄腕!DASH‼』が残した功績、番組存続の可能性
となると、TOKIOはこのまま解散してしまうということなのか? 前出のスポーツ紙記者は続ける。
「そこまではまだ公式発表では何も言及されてないのですが、TOKIOという屋号が残る限り、厳密な意味での解散はないと思いますよ。今でいうと少年隊もそのような立ち位置というか、要は“解散”ではなく、“グループとしての活動は休止”ということなのではないでしょうか。
とはいえ、深夜枠から数えると25年も続いている長寿番組『ザ!鉄腕!DASH‼』(日本テレビ系)の功績は大きく、汗水たらしてものごとに挑戦するアイドルバラエティの元祖としてやってきた彼らを、テレビ局が見放すはずはない。山口さん脱退後、『ザ!鉄腕!DASH‼』にはジャニーズの後輩タレントがよく出るようになりましたが、日テレとしてはこんなおいしいことはないはず。今後もこの番組を残し、いろんなジャニタレと共演をしていくという方向が続けられるであれば、番組存続の可能性は高いでしょう。
あと、噂されているのが山口元メンバーの合流。子会社になれば、可能性としてはゼロではない。山口さんのみそぎも一応は済んでいますし、本人もまた表舞台に立ちたいという希望はあるでしょうから、ロンブー亮さんが吉本と袂を分かっても淳さんが立ち上げた株式会社ロンドンブーツに所属して仕事を再開できたように、その可能性はゼロではないでしょうね」
“有終の美”はクドカン作品か
では、3月末で退所することになった長瀬智也は、どこへ向かおうとしているのか? ある週刊誌の編集者はこう予測する。
「ジャニーズとは『フリーになって裏方になる』という公式アナウンスをすることで手打ちをしたのでしょうから、しばらくは表舞台に立たないということなのでしょう。四半世紀にわたってTOKIOのエースを務めてきたわけですから、事務所を辞めてすぐ表舞台に立たれるのも困る、という業界内ルールのようなものは確かにありますから。
念願だったライブを中心とした音楽活動は続けると思いますし、ファンクラブやYouTubeを立ち上げれば食うに困ることはない。長瀬さんには『今年2月に自主映画の撮影をしていた』という噂もありますが、映像制作にも乗り出す気は満々だと思います。
1月期のドラマ主演が内定している長瀬はそれが最後の大きな仕事になるようですが、ネット上では期待も込めて『宮藤官九郎さんの作品なのでは?』とも噂されています。『池袋ウエストゲートパーク』(2000年、TBS系)、『タイガー&ドラゴン』(2005年、TBS系)など今までクドカン作品の常連だった長瀬さんですが、この作品で“有終の美”を飾れるかどうか。コロナの大きな波が再びやってきてドラマの撮影が中止に……なんて事態にだけは陥らないことを願います」
永遠の美などこの世には存在しないように、美男子帝国・ジャニーズもまた永遠ではない。ジャニーズの黄金期を支えた看板タレントによる相次ぐ退所報道を、我々もそろそろ広い心で受け止める必要があるのかもしれない。