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視聴率苦戦の沢尻エリカ『母になる』、どんでん返し連発の大傑作!小池栄子の演技に鳥肌

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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視聴率苦戦の沢尻エリカ『母になる』、どんでん返し連発の大傑作!小池栄子の演技に鳥肌の画像1『母になる』公式サイトより

 沢尻エリカ主演の水曜ドラマ『母になる』(日本テレビ系)の第2話が4月19日に放送され、平均視聴率は初回から横ばいの10.7%(関東地区平均、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。初回は息子が突然行方不明になって取り乱す母親を熱演した沢尻エリカに賛辞が集まったが、視聴率を伸ばすには至らなかったようだ。

 第1話は行方不明になっていた息子と再会するハッピーエンドで幕切れとなり、「1本の映画のようだった」との声も聞かれるなど内容的にも好評だったが、第2話では一転して小池栄子に対して「ムカつく」「すごく嫌い」「くそすぎ」などの大合唱が視聴者から上がった。

 だが、小池栄子が画面に登場したのはラストのほんの10秒ほど。それなのに、なぜそこまで視聴者に嫌われたのか--。それを解説する前に、第2話のあらすじをおさらいしよう。

 結衣(沢尻)が帰宅すると、児童相談所にいるはずの広(関西ジャニーズJr. 道枝駿佑)が階段の下で待っていた。「電車を間違えて帰れなくなった」と見え見えの嘘をつくが、母親に会いたくなって来たのがバレバレである。その晩は広を家に泊め、翌日送り届けることにした結衣。布団に入った広は、何度も何度も甘えるように「お母さん、お母さん」と呼ぶ。多少棒読みではあるが、9年間離れていた母と再会できた幸せを何度も確かめようとするかのような広の姿に思わず涙する人も多かったことだろう。

 翌日、結衣と広は電車で児童相談所に向かう。移動中の会話もなんともほほえましいが、どこか不穏な空気が流れている。結衣も時折、何か違和感を持っているような表情を浮かべるが、それが何かはわからない。

 児童施設に着くと、「広が見つかった」との連絡を受けた陽一(藤木直人)がすでに待っていた。陽一は、児童福祉司の木野愁平(中島裕翔)から、ある手紙の存在について事前に聞いていた。その手紙は、広が児童相談所にやってきた2年前まで、およそ7年間彼を育てていた門倉麻子(小池栄子)が広に宛てたものだった。麻子を演じる小池栄子の朗読で表現された手紙の内容は、まさに背筋が凍りつくようなものだった。

 いわく、いつか新しいお母さんと名乗る人が現れる日が来るから、その時は涙ぐんで「お母さん会いたかった」とあいさつし、「一緒に暮らそう」と言われたら逆らわないこと。新しいお母さんは広のことを何も知らないおばさんだけど、笑って優しくしてあげなさい。甘えた感じで「お母さん、お母さん」と言ってあげるように。何を出されてもおいしいと喜んで食べなさい。ママと広だけの秘密を忘れないで。いい子にして待っていれば、迎えに行く――。

 広への指示を淡々と読み上げる麻子の声に、鳥肌が止まらない。結衣と再会した時に見せた、戸惑いつつも母として受け入れてくれたあの態度も、結衣の家にやってきたのも、甘えるように「お母さん」と呼んでくれたのも、すべては麻子の指示に従っていただけだった。どこか棒読みだったのも、そのせいだった。心温まる親子の風景に見えていたものが、一瞬にして寒々しい偽りの景色に変わった。

 この落差があまりにも激しかっただけに、麻子に視聴者の非難が集中。「小池栄子の手紙が嫌悪感しかない」「あんな親最低」「広くんがかわいそう」「広を本当に愛していたらあんな手紙書けない」など、ヘイトを集めまくった。もちろん、役を演じてここまで嫌われるというのは、役者としてそれだけ素晴らしい証拠といえる。視聴者からも「淡々とした声だけでここまで魅せるなんて、なんという演技力」「大嫌いと思わせてくれるほど演技がうまい」と演技力をたたえる声が上がった。

 そんな絶望的な場面の後に救いを持ってくるのがこのドラマのいいところ。広が見つかったことをきっかけに、結衣と陽一は再び共に暮らすことを決意する。「笑える日、来たじゃないですか。笑いましょうよ。知らないおばさんでもいい。お母さんと嘘で言われてもいい。あの子と暮らします。あの子の誕生日、私は知ってる。私が産んだから」と、実の母としての強さを見せる結衣の台詞が泣かせる。ハートウォーミングかと思えば恐怖のどん底に突き落とされ、かと思えば今度は泣かせに来て、視聴者の心はもうぐちゃぐちゃである。

 場面は変わり、街を歩く広。公衆電話を見つけ、その上に10円玉を積んで電話をかけ始める。やはり、実の母である結衣の愛情が少しずつ広の心を融かし始めているのか――と安堵した瞬間、再び視聴者は絶望に突き落とされる。電話に出た相手は、ほかならぬ麻子だった。受話器に向かって「ママ!」とうれしそうに呼びかける広。

 ハッピーエンドと思わせてからのどんでん返しに、「やられた」との感想しか出てこない。このクオリティーを保つことができれば、視聴率は伸びないまでも印象に残る話題作になりそうだ。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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