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『おんな城主 直虎』視聴率急上昇も…インタビューでの高橋一生の勘違い発言でドッチラケ!?

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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『おんな城主 直虎』視聴率急上昇も…インタビューでの高橋一生の勘違い発言でドッチラケ!?の画像1『おんな城主 直虎』公式サイトより

 柴咲コウが主演するNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』の第18回が5月7日に放送され、平均視聴率は自己ワーストを記録した先週から3.3%増の14.3%(関東地区平均、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。大型連休最終日の晩で在宅率が高かったことが影響しているとも見られるが、戻った視聴者を何とか今後につなげていきたいところである。

 今回は、火縄銃「種子島」の試作が政次(高橋一生)にバレてしまい、今川への謀反とみなされたくなければ虎松(寺田心)の後見を降りよと直虎(柴咲)が迫られる場面で幕を開けた。直虎は観念して、政次とともに駿府の今川館に申し開きに向かうも、家臣の瀬戸方久(ムロツヨシ)の機転で事なきを得た。方久はひと足早く今川氏真(尾上松也)に対面し、直虎の指示だと言って種子島と鍛冶を氏真に売りつけていたのだった。

 自分は政次や方久に助けられてばかりだと嘆く直虎に、書物を読むように勧める南渓(小林薫)。直虎は孫子の「敵を欺くにはまず味方から」の教えとなつ(山口紗弥加)の言葉から、自分に敵対していると思っていた政次が実は自分を守っていたことに気付く――という展開だった。

 種子島を巡る直虎のピンチがあっさりと解決してしまったこともあり、盛り上がりに欠けた回だった印象は否めない。これまでさんざん、人情の機微に掛ける人物として描かれてきた直虎がこの段階で政次の真意に気付くという展開は予想外だったが、これが吉と出るか凶と出るかは判断が難しい。

高橋一生の余計な発言

 今回は、これまで「不憫な演技が素晴らしい」と視聴者の絶賛を集めていた政次役の高橋一生に苦言を呈したい。放送後に『直虎』公式サイトで公開されたインタビューで高橋は「直親が亡くなってから政次の本心が分かった今回の放送までは、直虎と同じ目線になってご覧いただけたらと思っていたんです」と語っている。つまり、井伊家の乗っ取りを図る悪者で、直虎に敵対する人物として見てほしかったという意味である。

 だが、さすがにこれは無理がある。直親(三浦春馬)の死後、急にブラック化した政次に対しては確かに視聴者から戸惑う声が上がったが、その後すぐに政次の真意は視聴者にバレ、知らぬは直虎と家臣だけという状況になっていた。とげとげしい言葉とは裏腹に、直虎を心配そうな目で見つめたり、直虎が領主として一歩成長するたびにうれしそうな顔を浮かべたり。はたまた、農民集めに苦慮する直虎にストレートに策を授けたり。あれだけ直虎への好意がにじみ出る演技をしておきながら、「視聴者が悪役だと思い込む演技」をしていたつもりなのだとしたら、役作りの方向性が大きくずれていたのではないか。

 振り返ってみれば、脚本にも演出にも「18回までは視聴者に政次を悪者だと思わせておこう」との意図があったようには思えない。むしろ、鈍い視聴者にもわかるように繰り返し政次の真意をこぼれさせていたのではないだろうか。高橋一生の演技力や表現力に文句はないだけに、「脚本や演出の意図を理解しない俳優」と受け取られかねない発言は余計だったと指摘しておきたい。

 さて、若干ネタバレになるかもしれないが、史実では、政次はこの後悲劇的な最期を迎えることになる。このため史実を知る視聴者の間では、「政次の死後、直虎が彼の真意を知って涙する“ごんぎつね”的展開になるのでは」との予想が一般的だった。だが、「今川の味方を装いつつ、井伊家と直虎を守る」との政次の意図を直虎が知ってしまった今となっては、この展開はあり得ない。あるとしたら、政次が悲劇的な最期を迎えると知りつつ、互いにそれを納得して自らの役割を演じ切る直虎と政次――という構図だろうか。“ごんぎつね”的展開も悲しいが、後者のほうがもっと切ない。

 そもそも、あの直虎に政次を捨て石にするようなまねができるのかとも思うが、もしかしたら今回直虎が孫子を勉強し始めたのは、この伏線なのかもしれない。政次が直親を捨て石にして井伊家を守ったように、直虎は政次を犠牲にして井伊家を守った――という形で、戦国の小領主の悲哀が描かれるのかもしれない。ドラマの内容をどこまで史実に寄せてくるかはわからないが、どううまくまとめてくれるのか楽しみにしたい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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