芳根京子が主演を務める連続テレビドラマ『海月姫』(フジテレビ系)の第6話が19日に放送され、平均視聴率が5.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。平昌五輪が始まり、連日大盛り上がりをみせるなか、多少視聴率を落としてしまうのはいたしかたない。ただ、前クールの『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』最終回が記録した“月9”ワースト記録の4.6%を更新してしまう懸念も浮上し、制作陣としてはなんとかここで浮上したいところだろう。
同作品は、天水館に暮らす倉下月海(芳根)をはじめとするオタク女子たちが、地区再開発による立ち退きに立ち向かうために奮闘していく話。月海と鯉淵蔵之介(瀬戸康史)、鯉淵修(工藤阿須加)との三角関係もありつつ、コメディチックながらも王道のラブストーリーが若い女性たちにウケている模様。
第6話では、月海と修が再び急接近。蔵之介にキスをされて戸惑う月海だったが、蔵之介に「そんなの挨拶。海外の人はするでしょ?」と言われ、すっかり安心してしまった様子。立ち上げたブランド「ジェリーフィッシュ」の新作をつくるために奮闘する2人だったが、服に興味のない“三国志オタク”のまやや(内田理央)、“鉄道オタク”のばんばさん(松井玲奈)は手伝うこと自体に納得していない様子。そこから、尼~ず5人の絆にヒビが入りはじめたが、本来の目的であった「地区再開発反対」のために一致団結してデモ行進を行ったことで、再び絆を取り戻していくのだった。
いつもなら、何かしらお騒がせな展開になりドタバタと話が進んでいくのだが、今回はわりとおとなしめの印象。そのため、なんだか物足りない気がしてしまった。ただ、恋路に関して今までは兄の蔵之介に頼りっぱなしだった修が、自分から積極的に月海に寄り添っていく姿にキュンとした視聴者が多かったようだ。
そして、月海に惹かれていると気がついていながらも、あえて自分の気持ちに蓋をしてしまっている蔵之介というイケメンの切ない恋心に、「がんばれ!」「今日も切ない」と心が揺れ動く視聴者が多数。女装男子で女性よりも美しいけど男らしい蔵之介と、包容力があり優しく包みこんでくれるような修。前を向いても後ろを向いてもイケメンに挟まれている月海が羨ましい。
一方、期待していた江口のり子が演じる「関西弁を話すインド人」には、まったくの拍子抜け。また、話を引っ掻き回すようなキャラが登場するぞ~とワクワクしていたのだが、結局ショップ展開のアドバイスをしただけ。次回の予告にも登場していたが、これから話に絡んでくる予定なのだろうか?
今回も評価的には上々だったが、どうも“中だるみ”してしまった感が強い。切ないラブストーリーに引き込まれる魅力というのもあるかもしれないが、この『海月姫』に関しては、グイグイ引きずり回されるくらいの強い展開が向いているような気がしている。それこそ、それを可能にするほどの強烈なキャラが揃っているのだから、大人しくさせておくのは、もったいないのではないだろうか。
月9ワースト視聴率更新目前の『海月姫』。もはや、作品の出来不出来に関係なく、「フジ月9は見ない」という習慣が人々に定着してしまったのだろうか。
(文=絢友ヨシカ/ライター)