近年、AKB48グループやハロー!プロジェクトといったアイドルのダンスを、一般の人々がコピーする文化が定着しつつあるようだ。
代表的な例は、2012年にスタートした「UNIDOL」というイベント。“大学対抗の女子大生アイドル日本一決定戦”である「UNIDOL」は、学生団体の主催により各地方で大会が行われ、16年度には年間2万人を動員するほどの実績を残している。
昨年11月には、アイドルコピーダンスフェス「アイコピ」というまた別のイベントが誕生した。こちらは「UNIDOL」とは違ってコンテスト形式ではなく、出演者の年齢制限もない。第1回では中学生から社会人まで、全15チームが出演したという。
傍目には「出演者たちは本物のアイドルではなく素人で、歌も口パクなのに、果たして盛り上がるのか」と疑問に思ってしまいそうだが、その実態はどうなっているのか。3月11日に原宿ベルエポックホール(東京都渋谷区)にて開催された、第2回「アイコピ」に足を運んだ。
アイドルの曲で騒ぎたい者、踊りたい者たちが平和に共存
イベントは定刻をやや過ぎた12時40分に開演。ももいろクローバーZの『サラバ、愛しき悲しみたちよ』をBGMにMCが登壇し、全グループの紹介が始まった。出演グループは全20チーム、総勢130名以上にも及ぶとのことで、オープニングでは各チームの代表者3名のみが呼び込まれる。制服やドレスなど、多種多様なモチーフの衣装に身を包んだ出演者たちが所狭しと並び、ステージ上は一気に華やかに。
その後、いよいよパフォーマンス開始。2チームずつステージに現れ、MCと簡単なやり取りを交わしてからパフォーマンスに移るという流れを繰り返していく。各チームの枠は10分で、大半の出演者たちは3~5曲のメドレーを披露する。選曲はAKB48グループやハロー!プロジェクト以外にも、昭和のアイドルからK-POPまで幅広い。曲ごとにメンバーを入れ替えたり、途中で衣装をチェンジしたりと、限られた持ち時間をフルに使いこなそうとする創意工夫が感じられた。
なお、歌唱パートは口パクだが、煽りやコール&レスポンスの際はしっかりとマイクを通している。フロアは前方が立ち見エリア、後方が着席エリアとなっており、前方にはペンライトを手に熱い声援を送る男性たちが目立っていた。いくつかの出演チームには公式グッズが存在するようで、チーム名の入ったTシャツを着ている観客も。