産後クライシス
ではなぜ、小塚は夜遊びをやめなかったりと、大島を苦しませたり、自ら家庭を壊すような行動を続けたのだろうか。
「あえて苦しませたり、家庭を壊すような行動を続けたのではなく、5歳年下でまだ落ち着きたくない20代の小塚さんは、独身時代のライフスタイルとマインドを変えるつもりがなかっただけなのではないでしょうか。
大島さんは、2017年に出産したばかり。本来なら夫婦にとって子育ては最大の関心事のはず。ところが最近では『産後クライシス』といって、出産後に夫婦が離婚の危機を招くケースが増えています。産後クライシスのきっかけの多くは、妻側の不満が募ることが多いのも特徴的。『子どもが生まれてから、睡眠時間も十分に確保できず自分の体調管理もままならないのに、夫が家事や育児を手伝おうとしない』『何もかも初めてのことで不安だらけなのに、夫が話を聞いてくれない』といった、夫の家事や育児への非協力と妻への思いやりの欠如が不満の主な原因です。やがてその不満が爆発し、離婚という選択をする夫婦も少なくありません。
ちなみに、子どもの顔を見ても“一家の大黒柱”としての自覚が芽生えない夫が、その後に変わるタイミングはゼロではありません。実例として、それまで家庭を顧みることのなかった夫が、子どもが幼稚園に上がる時に“家庭的な夫”に変わったケースもあります。入園式や各種イベントへの参加など、たびたび家族単位で行動する必要性が生じるため、少しずつ“よき父親”としての心の準備も整っていくからです。子どもの成長とともに、子ども本人から父親の役割を求められることもしばしば。愛情が薄れてしまった妻のからの要求はスルーできても、愛する我が子からのリクエストには応えたいと思うもの。そこでようやく家庭と向き合おうとする夫もいるのです」(同)
小塚・大島夫婦の危機は、私たち一般人にとっても他人事ではないようだ。
(文=編集部)