今秋には主演映画公開、“五輪仕事”獲得も視野に入れるか
視聴率的にも、初回こそ13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を獲ったものの、2話目で8.9%と早くも1桁台に突入、その後も依然として低空飛行が続いている。最終話で視聴率42.2%を記録した『半沢直樹』には遠く及ばず……という結果になりそうである。
「そもそもこの『集団左遷!!』は『半沢直樹』シリーズの原作者である池井戸潤作品ではないし、演出スタッフも違う。にもかかわらず『半沢直樹』を意識しすぎていることが、最大の間違いだと思うんですよ。それに加え、7月からはまさに池井戸潤原作の『ノーサイド・ゲーム』が大泉洋主演で始まり、さらに来年にはなんと、『半沢直樹』待望の続編が7年ぶりに制作されることが発表されました。よりによって福山さんが『日曜劇場』で苦戦しているこのタイミングで、なぜ半沢の続編まで発表されたのか……理解に苦しみますね。もはや福山さんが“当て馬”のようにも思えてきて、不憫でなりませんよ」(前出のプロデューサー)
先日オンエアされた第6話で「100億円のノルマ」は一応の着地点を見いだし、次回からは第2章が始まることとなった『集団左遷!!』。一方で、「物語としては面白いのに、あまりにも酷評されすぎている」と反論するのは、あるテレビ誌のライターだ。
「最初は情けない上司という感じでしたが、徐々に部下たちの信用を得て、銀行マンとして輝きを取り戻すという役柄が福山さんにマッチしてきて、がぜん面白くなってきたと思います。福山さんの熱演や顔芸にも慣れてきちゃって、クセになってきましたよ(笑)。第2章からは本部に戻り、銀行の闇がより深く描かれていくのですが、ここまできたら、もはやもっと顔芸を炸裂させてほしいですね。
でも、“男が惚れる男”といわれるだけあって、ノルマ達成を目指して部下たちと一丸となって奮闘する福山さんはやはりとてもカッコよかった。第2章でも、外野からのネガティブな声を気にすることなく、そんなシーンをたくさん出していけば、逆に『半沢直樹』との差別化も図れると思います。11月には主演映画『マチネの終わりに』も公開され、その余勢を駆って東京オリンピックでも大きな仕事を狙ってることは間違いないでしょう。今回の『集団左遷!!』で多少コケたとしても、次の新曲を出せばまた確実に売れるのでしょうから、大きな傷にはならないと思いますね」
とにかく賛否両論が渦巻く、俳優・福山雅治の熱演。とはいえ、誰が見ても忘れられない“顔芸”を確立したという意味では、彼が“新境地”を開くことには十分に成功したといえるのかもしれない。
(文=藤原三星)藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。<twitter:@samsungfujiwara>