今夜(9日)、「2023 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の日本代表初戦となる「日本vs.中国」の試合が行われる。テレビの地上波(初戦はTBS)以外でも、ネット配信では日本戦の全試合をAmazon Prime Videoの生配信で視聴できるが、「ニコニコ生放送」も日本戦の全試合の実況解説特番を配信。大事な初戦は元プロ野球選手・愛甲猛氏、お笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建が「解説」し、聞き役をアイドルグループ・Merci Merciの内田ゆめが務めるという異色の組み合わせ。心配と予測不能な化学反応への期待が入り交じり、密かに物議を醸している。
バラエティに富んだメンバーだが、まずはなんといっても愛甲氏。現役時代は千葉ロッテマリーンズや中日ドラゴンズで活躍し、女性ファンも多い人気選手だった一方、「薬物使用」の問題で世間を騒がせたことも。愛甲氏自身が現役引退後に週刊誌などで明かしているが、体力の衰えをカバーする目的でホルモン剤を服用していたものの、引退前から激しい動悸が起きるようになり、引退後には病院で静脈血栓と診断されたという。
この件が「薬物問題」として大きく取り上げられ波紋を呼び、愛甲氏は一時は野球界から距離を置かれるかたちとなったが、近年の愛甲氏は歯に衣着せぬ発言が支持されたり、バラエティ番組『有吉の壁』(日本テレビ系)で歌手・aikoが“ご本人登場”するかのような場面で登場したりと、お茶の間を楽しませている。ニコ生のWBC実況解説特番でも、視聴者たちを沸かせてくれることに期待したい。
映像はテレビ、音声はニコ生というスタイルがベスト?
一方、渡部といえば2020年に不倫が報じられ、活動自粛を経て22年2月に復帰したものの、世間ではまだ「許されていない」雰囲気が強い。活動再開の場となった『白黒アンジャッシュ』(千葉テレビ)以外、いまだキー局の地上波番組には出られずにいるが、ネット番組への出演は少しずつ増えてきている。
なお、昨年11月24日には著書『超一流の会話力』(きずな出版)を出版。同2日にInstagramで同書の告知をした際には「自粛中に知り合いの方から『企業向けにコミュニケーションについて講演をしてみないか?』というお話をいただきました」(原文ママ、以下同)と明かし、ビジネス本などで研究した上で「『円滑なコミュニケーションのコツは、じつはシンプルで、簡単で、誰にでも実践できる』と数々の企業で講演してきました」とも報告。講演のオファーがあることからもわかるように、渡部はトーク力に優れている。そして、不祥事を起こす前は『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「高校野球大大大好き芸人」回に呼ばれていたように、高校野球ファンとしても有名。それゆえに、地上波は難しくてもニコ生のWBC実況解説特番に起用されたことは、納得できてしまう。
ちなみに、今回の番組に「聞き手・アシスタント役」として参加するアイドルの内田も、趣味は野球観戦と公言しているほか、球場でのビール売り子経験者でもある。
「なぜ大事なWBCの初戦の解説に愛甲と渡部なのか、ニコ生はふざけているのか? と思う人もいるかもしれないが、強力なキャラで弁も立つ2人の起用は、意外に絶妙かつナイスな人選かもしれない。変にお行儀よくせずに普段のノリで言いたい放題してくれれば、地上波やアマプラの中継より数段も面白くなるのでは。渡部にも久しぶりに『うんちくトーク』を展開してほしいが、それはそれでまた視聴者から反感を買うリスクもある。試合の映像はテレビで見ながら、音声はニコ生というスタイルがベストかも」(スポーツ紙記者)
愛甲、渡部、内田と本業はバラバラの3人が、どのようにWBC実況解説特番を盛り上げるのか。予測不能だが、面白くなりそうだ。
(文=Business Journal編集部)