史上初!? “幽霊が主演”のホラードキュメンタリー『三茶のポルターガイスト』 角由紀子ら潜入班を襲った戦慄の恐怖体験とは?
東京・三軒茶屋に実在する、心霊現象が多発するビルに潜入するホラーとキュメンタリー映画『三茶のポルターガイスト』が3月24日に公開される。元TOCANA編集長の角由紀子、演出家でビル内に芸能事務所を構える横澤丈二、映画『ベイビーわるきゅーれ』(2021年)などのプロデュースを手がけた後藤剛監督の潜入班に襲いかかる、想像を絶する恐怖体験。「今世紀最大の映像が撮れました」と語る後藤監督だが、実際に現場では何が起こったのか? 撮影時のエピソードを3人に振り返ってもらった。
ーー実際に潜入してみていかがでしたか?
角由紀子:これまで見てきた心霊現象で日本最恐です! こっくりさんをしている時に壁を叩かれたり、立てかけてある時計が吹っ飛んだり、暗闇でも白い手がくっきり見えたり、幽霊が私たちを脅かしてくるのがはっきりとわかるんですよ。出来過ぎなほど怪奇現象が起こるので、後藤監督が信じてくれなくて何度も検証を繰り返しましたよね(笑)。
後藤剛:もうどこを撮影していいのか分からないぐらい異常が起こるんですよ(笑)。幽霊が出るときは床下からぶわっと冷気が出たり、線香を炊いたような強烈なお香の香りがしたり、空間全体が異質でしたね。これまで十数年、心霊スポットを回ってきたんですけど、あれほど心霊現象に遭遇したのは初めてでした。
横澤丈二:このビルに芸能事務所を構えて丸30年経ちますが、これまで幽霊の目撃者が延べ100人以上いるほどいわくつきではあったんですよ。特に深夜2時以降にスタジオにいるとほぼ何かしら起こるんです。それが今回、カメラを回し始めたら、より霊の気配が強烈になったんです。3人でこっくりさんをしている時は天井が壊れるぐらい揺れましたから。
ーーというと撮れ高的には充分過ぎるぐらいでしたか?
角由紀子:それが潜入1日目は静かだったので、当初は『やばいな』って焦りもあったんですよ(笑)。でもこっくりさんをやり始めたあたりから急に出だして、50体以上の霊が出てきた日もありましたね。最終的には幽霊が起こすポルターガイストに振り回されっぱなしでした。
後藤剛:撮影の途中で幽霊が出ると確信したので、本作がCGなしの映像であることがわかるよう工夫しました。マジシャンや内装業の方を呼んで我々が遭遇した怪奇現象が科学的に実証できるのかを取材したり、角さんのリアクションを多めにして臨場感を出したりと、いろいろと試行錯誤しました。
角由紀子:私のリアクションは完全に素ですね。『この映画の主演はあくまでも幽霊なんです!』と断言できるぐらい幽霊の存在感が強くて。一応、映画のクレジットに大きく名前は載っているんですけど、私たちは脇役なんですよ。
横澤丈二:僕らはいわゆる黒子ですよね。幽霊に登場してもらうために降霊術を行う裏方のようなものです(笑)。ただ、30年近くスタジオにいると、幽霊を呼び寄せるパワーの強い人って分かるんですよ。角さんはパワーが顕著なうえに、怖いもの知らずで降霊術をやるものだから、そりゃ幽霊も集まってきますよね(笑)。壁に立てかけた時計があんなに飛んだの初めてでしたから(笑)。
角由紀子:普通、時計は飛ばないですからね(笑)。
ーー実際に幽霊と交信したり、メッセージを感じた瞬間はありましたか?
角由紀子:幽霊が私たちの前に出てこようとしたのか、『せ~の』って声が聞こえてきましたよね。
横澤丈二:今回の検証で分かったのは、ここに棲みついている霊は女性好きなんだなと(笑)。僕が降霊術で呼びかかると『おいいい加減にしろよ』って警告する感じなんですけど、角さんの時は『ちょっと脅かしてやろう』ぐらいでお茶目に感じるんですよ。
角由紀子:現場にいると、幽霊が本気で脅かしに来るのか、構って欲しい感じでくるのかわかるんですよね。
横澤丈二:こっくりさんをしている時も、角さんのことを『かわいい』って答えが返ってきたりして(笑)。
角由紀子:でも本当にヤラセじゃないですよね! あの時は死者でも生者でも人からちやほやされるのはいい気分だなあと思いましたね(笑)。せめてあと10歳ぐらい若かったらもっと幽霊も寄ってきたのかなあ(笑)。
横澤丈二:幽霊の世界に年齢は関係ないんじゃないですか?
角由紀子:あ、たしかに!
横澤丈二:後藤監督も幽霊に好かれてそうな感じがしましたよ。
後藤剛:僕が子供好きなので、子供の幽霊には好かれてたと思いたいですよね(笑)。撮影中いきなり天井からボールが落ちてきた時があったんですけど、あれは『一緒に遊ぼう』というサインだったんですかね?
横澤丈二:そうかもしれないですね。ただ確実に言えるのは、幽霊も人を選んでいるんですよ。相手の人間がオラオラ系だと出にくかったりするので。
ーー幽霊にも人間らしい一面があるんですね(笑)。最後に視聴者へメッセージがあればお聞かせください。
角由紀子:いま業界的にも怪談が盛り上がっているんですけど、ドキュメンタリーのホラー映画ではヒットしている作品が少ないんですよね。そんな中、ここまではっきりと幽霊が収められた映像はないので、今からどれほどの反響があるのか楽しみです!
後藤剛:今世紀最大の映像が撮れました! 幽霊や心霊現象とはなんなのか、これは本当の映像なのかと考えてもらえたら嬉しいですね。
横澤丈二:もちろん幽霊も怖いのですが、時計が吹っ飛んだり、天井が揺れたりする怪奇現象にも着目してもらえたら嬉しいですね。あまりにも説明不可能な現象なので、映像を見て一連の怪奇現象を誰かが解明してほしいと願っています。
(取材・文=佐藤隼秀/ライター)
幻冬舎文庫
『日本一の幽霊物件 三茶のポルターガイスト』
横澤丈二 / 著
【三茶のポルタ―ガイスト】として映画化!
絶対に“なにか”いると噂の稽古場。これは一体、土地の因果か、誰かの怨念か――? 30年にわたって“出続けている”心霊現象を追う、リアル怪談ドキュメント。
「各階の間取りがすべて違う」。思えば最初から違和感はあった――。幼少期から霊感を持つ横澤は、主宰する劇団の稽古場を構えようと東京・三茶のビルを訪れる。その造りに不安を抱くも、駅近から契約を結ぶ。が、入居早々、エレベーターの床が水浸しに。そこには、大家から「絶対に話かけてはならない」と聞かされていた“異形”の者が立っていた……。【三茶のポルタ―ガイスト】として映画化!“出る”と話題のヨコザワ・プロダクションの30年にわたる心霊現象を追った、怪談ドキュメント。
書籍分類:文庫価格:定価 693円
(本体630円+税10%)