さらに重要なのは、いつどこで情報が漏えいするかわからないため、使わないカードは一刻も早く解約するということだ。
「情報漏えいを防ぐためには、カードの枚数を減らし、不正利用の可能性を低くするしかありません。何年も使っていないカードが、ある日突然不正利用されていたというケースもあるので、どんなカードでも油断禁物です」(同)
いつの間にか他人のログインを許可?SNSの恐怖
では、数年前から急増するLINEやフェイスブックなどSNSアカウントの乗っ取りについては、どう防げばいいのだろうか。
「最近多いのが、『フェイスブックのアカウントが凍結された』と偽りの連絡をして、相手のアカウントを乗っ取る手口です。アカウントを復旧させるためとして、電話番号や認証番号を聞いてきたりするのですが、これらをすべて教えてしまうと、今度は自分のアカウントが乗っ取られてしまいます。『まさか、自分が引っかかるわけがない』と思うかもしれませんが、実際にそんなことがあっても意外と不審に思わないからこそ、やっかいなんです」(同)
ほかにも、フェイスブックのタイムラインに流れてくる「◯◯診断」などのページをクリックした結果、知らないうちに他人のログインを許可していることもある。
「SNSアカウントの乗っ取り被害で一番多いのは、乗っ取られた自分のアカウントから勝手に詐欺サイトの広告を投稿されてしまうというものです。よくあるのは、偽物のレイバンを売りつける詐欺サイト。それでも十分悪質ですが、フェイスブックにカード情報を登録していたりLINE Payを利用していたりするなど、お金と紐付けている場合は、勝手に使われる可能性もあるでしょう」(同)
アカウントを乗っ取られたら、すぐに運営企業に報告して復旧作業を依頼しなければならない。乗っ取りを未然に防ぐには、どうすればいいのか。
「IDとパスワードを使い回さない。これに尽きます。ネット上のサービスをすべて同じIDとパスワードの組み合わせで使っていたら、どれかが漏れると、すべてに影響します。漏えいしたIDとパスワードは、すぐにLINEやフェイスブックで試されます。月並みですが、パスワードは英数字記号を含めた、なるべく長い文字列を使ってください」(同)
今後は、さらに悪質で巧妙な手口が増えるかもしれない。心当たりのある人は、カードを整理してIDとパスワードの使い回しをやめるべきだろう。
(文=北条マサ子/清談社)