●クラウドゲームとは?
クラウドゲームとは、3Dなどメインの処理をクラウド側で行い、表示データ(映像)をユーザーが直接操作する端末にブロードバンドで転送して利用するゲームだ。ユーザーの操作データもクラウドに送信され、そこでゲームプレイの処理が行われ、映像が送り返される。
多くのクラウドゲームシステムを支えているのは、グラフィックカードメーカーであるNVIDIAのクラウドサーバーシステム・GRIDだが、GRIDを使った実際のゲームで検証データを取ってみると、ローカル(端末内)で処理をした場合に劣らない反応の速さでゲームがプレイできる。現在のクラウドゲームの技術は、ここまで来ているのだ。
●テレビとゲームの未来に大きな影響
このようにクラウド側で重い処理を行い本体側の処理を軽くすることで、従来のような高機能な機材でなくとも3Dゲームができるのがクラウドゲームの特徴。そのため通信機能を備えていれば、PS4のような家庭用ゲーム機はもちろん、スマホやテレビでもゲームができるという。つまり、ソニー製のテレビ・ブラビアでもゲームができるようになるのだ。ゲーム機本体なしでもゲームができるインパクトは大きい。
このPS Nowは、ゲームをタイトルごとに買い切り、または毎月定額でいくつかのゲームが遊べるようなシステムにする予定だという。
PS Nowは北米で今夏以降に開始される予定だという。ブラビアはそれに対応した新型が発表されるのか、現在の機種のままアプリで対応するのかは定かではない。しかしいずれにしても、これによって、テレビを選ぶ時の要素も変わってくることだろう。そして、ゲーム機を持っていなくてもオンラインでゲームを購入して遊ぶことができるようになるとすれば、ゲーム人口を増大させるきっかけになるかもしれない。
今後、「ゲームができること」がテレビ選択の要素に加わるようになるならば、PS Nowは大きなレボリューションだといえるだろう。
(文=一条真人/フリーライター)