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今回の事件を受け、当初、大阪市は「市長の意向をくみ、桜宮高校の現役生、保護者、そしてこれから桜宮高校体育系学科を受験する受験生本位で、どういう形がベターなのか」という観点で、
(1)(体育系学科の)入試制度の存続
(2)外部有識者を交えた調査委員会の設置
(3)部活動を存続しつつもチェック機能を強化し、体罰根絶を図る
の3点を軸とした対応策を行う手はずを整えていた。これは、大阪市教育行政主導の対応策である。
しかし、橋下市長は、入試中止、教員の総入れ替えは絶対条件とし、これらが受け入れられない場合は、既報の予算執行停止のほか、「(桜宮高校の)校長は外部から公募で連れてくる」と主張したという。
●市民からも反発の声が
こうした市長の振る舞いについて、大阪市役所職員のD氏は、「行政として、まっとうなサジェスチョンを行っても、気に入らなければ突き返し、いつも『公募で人を連れてくる』と声を荒らげる。これは政治家ではなく独裁者でしょう?」と非難する。
これまで大阪市長の強権的言動に喝采を上げていた大阪市民からも、「今回だけは橋下市長もやり方が強引すぎるのではないか」(桜宮高校周辺の住民)との声が聞こえる。大阪市教育委員会にも、市長の対応への苦情の電話が殺到しているという。
今回、橋下市長は、就任以来、初めて有権者を敵に回した格好となった。みずからを市長として市役所に送り込んでくれた有権者を敵に回してまで、自身の政治判断を貫いたことで、はからずも全国の有権者に「政治家・橋下徹」を知らしめたといえよう。参院選に出ようとも、出なくとも、今回のことで、政治家としての橋下に傷がつくことはない。むしろ株を上げた格好になったのではないか。
(文=秋山謙一郎/ジャーナリスト)
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